歴史上、あまりにも“数奇な7つの死に様” ― 自分のヒゲにつまづき… 笑い死にからカメ直撃死まで

歴史に名を残す方法は数多くある。素晴らしい芸術を創造する、世界の半分を征服する、画期的な発明をする。あるいは、ただただ異例な死に方をする、という手もある。
死はもちろん悲劇だ。しかし、時に人々はあまりに奇妙で、予想外の方法でこの世を去るため、その最期がどこか滑稽な物語として語り継がれてしまうことがある。
ここでは、歴史に名を残した8人の奇妙な死に様を紹介しよう。
1. 飛ばないパラシュートの発明家

オーストリアの仕立て屋フランツ・ライヒェルトは、飛行機の発明に感銘を受け、飛行士のための実用的なパラシュート開発に情熱を注いだ。
完成したと信じたパラシュートを、彼はアパートの5階から人形を使ってテストした。しかし、パラシュートは開かず、人形は地面に激突。これを見たライヒェルトは、なぜか「もっと高い場所から本物の人間が飛べば、うまくいくはずだ」と確信した。そして1912年2月4日、彼はエッフェル塔の頂上から飛び降りた。言うまでもなく、彼のパラシュートは、やはり機能しなかった。
2. 自分のヒゲにつまずいて死亡
16世紀オーストリアの町長、ハンス・シュタイニンガーは、その非常に長いヒゲで有名だった。その長さ、実に約1.4メートル。普段は革製のポーチに丸めて収納していた。
1567年9月28日、町で大火事が発生。消火活動の指揮を執るため、彼は慌ててオフィスを飛び出した。しかし、彼はヒゲをポーチにしまい忘れていた。彼は自身のヒゲにつまずいて階段から転げ落ち、首の骨を折って即死したという。
3. 笑いすぎて死亡

16世紀イタリアの作家ピエトロ・アレティーノは、風刺の効いた下品なユーモアで知られていた。皮肉にも、彼を死に追いやったのも、その大好きな下ネタだった。
1556年10月21日、ヴェネツィアでのディナーパーティーで、誰かが卑猥なジョークを言った。アレティーノはそれがツボにはまり、腹を抱えて笑い転げた。ある説では、彼は笑いすぎて呼吸困難に陥ったとされ、また別の説では、ヒステリックに笑いながら椅子から転げ落ち、床に頭を打ち付けて亡くなったとされている。
4. 自作の目覚まし時計に殺される
19世紀ニューヨークのランプ点灯夫、サミュエル・ワーデルは、早起きのためにユニークな目覚まし時計を自作した。それは、時計の針が設定時刻になると、約4.5kgの石を吊るした紐を切り、石が床に落ちる音で目覚めるという仕組みだった。
ある晩、彼は友人たちと深酒をし、酔っぱらったまま部屋の家具を適当に配置し直して眠りについた。しかし、その配置は完璧ではなかった。彼はベッドを、あろうことか目覚まし時計の石の真下に置いてしまっていた。翌朝、石は彼の頭の上にまっすぐ落下した。
5. 身をもって無罪を証明した弁護士

1871年、オハイオ州の弁護士クレメント・バランディガムは、酒場での乱闘で人を射殺したとされる男の弁護をしていた。彼は、被害者が誤って自分を撃ったのだと主張。法廷で、彼は被害者が持っていたものと同じタイプのピストルを取り出し、ポケットから銃を抜く際にいかに暴発しやすいかを実演し始めた。
バランディガムは、そのピストルに弾が込められていないと信じていた。――しかし、そうではなかった。彼がピストルをもたつかせていると、銃は服に引っかかり、暴発。弾丸は彼の腹部に命中し、彼は死亡した。この話に救いがあるとすれば、彼の壮絶な実演に感銘を受けた陪審員が、彼の依頼人の無罪を言い渡したことだろう。
6. 狙撃手を挑発して死亡

南北戦争中の北軍少将ジョン・セジウィックは、1864年5月9日の戦闘中、敵の狙撃手の銃撃に怯える部下たちを鼓舞するため、前線に立った。
「何をそんなにビクビクしているんだ!こんな距離からでは、象にだって当たりはしないぞ!」と、彼は部下たちを叱咤した。その直後、一発の弾丸が彼の頭を撃ち抜き、セジウィックは即死した。少なくとも、彼に勇気がなかったとは誰も言えないだろう。
7. 空から降ってきたカメに当たって死亡

古代ギリシャの三大悲劇詩人の一人、アイスキュロス。彼の死は、悲劇というよりは、むしろ喜劇であった。
紀元前456年、シチリア島を訪れていた彼は、街の外を散歩していた。その時、彼の頭上で信じられない出来事が起こる。ワシが、捕らえたカメを岩と間違えて、彼のハゲ頭めがけて落としたのだ。言うまでもなく、カメの甲羅は、アイスキュロスの頭蓋骨よりも硬かった。
偉大な功績を残した者も、歴史に名を刻んだ者も、その最期は時に、こんなにもあっけなく、そしてどこか滑稽ですらある。人生とは、そういうものなのかもしれない。
参考:ODDEE、ほか
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2024.10.02 20:00心霊歴史上、あまりにも“数奇な7つの死に様” ― 自分のヒゲにつまづき… 笑い死にからカメ直撃死までのページです。死に方などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで