もう少し頑張れなかったのか…？ ブラジルのミステリーサークル、あまりの“やっつけ仕事”に専門家も苦笑

• 
• Xでポスト
• 

　2025年11月3日、ブラジル・サンタカタリーナ州の小さな町イプアスに、今年もまたミステリーサークルが出現した。麦の収穫期に合わせて現れるこの幾何学模様は、2008年以来、この地域を悩ませる（？）恒例行事となっている。

　しかし、ミステリーサークル研究の先進地であるイギリスの精巧な作品に慣れた専門家の目には、今年の“作品”は、宇宙からの壮大なメッセージというよりは、「やる気はあるが、技術が追いついていない」学生の美術課題のようにしか見えなかったようだ。

町おこしに便乗？「ブラジル・ミステリーサークル首都」のしたたかさ

　イプアスの町は、この毎年恒例のミステリー現象を逆手に取り、自らを「ブラジル・ミステリーサークルの首都」と名乗って、ちゃっかり観光資源にしている。今年もサークルが出現するやいなや、町の公式Facebookアカウントは「この現象を観光と地域経済のさらなる振興に活かす方法を検討中です」と、抜け目なく投稿した。

　今年のデザインは、3つの同心円を中心に、三角形と2つの七芒星（ヘプタグラム）を重ね合わせた、一見すると複雑なものだ。しかし、その“出来栄え”は、お世辞にも褒められたものではなかった。

専門家も呆れる“残念”なクオリティ

「シンメトリー（対称性）」こそがミステリーサークルの神秘性の根源であるはずが、今年の作品は、その基本すらおぼつかない。専門家が航空写真を分析したところ、中心の円とそれを取り囲む三角形の各辺との距離は、すべてバラバラ。輪郭はガタガタで、線の太さも均一ではない。明らかに人間の手による“やっつけ仕事”の痕跡が、そこかしこに見え隠れしているのだ。

　あるアナリストは、「この10年間の唯一の進歩は、サークルの中心点を、（作者が歩いてきた）トラクターの轍の上に作らなくなったことくらいだろう」と、手厳しいジョークを飛ばす。

　さらに、「宇宙船がレーザーで作ったのか、それとも宇宙人が『量子ロープと板』を持って降りてきて作ったのか、それが疑問だね」と、その稚拙さを皮肉った。

　事実、イプアスのミステリーサークルのクオリティは年々議論の的となっており、2023年に至っては、あまりの出来の悪さに、UFO研究家の誰もが擁護の声を上げることを諦めたほどだ。2024年の作品も、AIによる分析で「完全に歪んだ継ぎ目」や、地面に残された杭の跡が発見され、90%の確率で人間による「いたずら」だと結論付けられている。

それでも「本物だ」と主張する人々

　しかし、そんな“動かぬ証拠”を前にしても、一部の研究家は「これは本物だ」と主張してやまない。あるUFO研究家は、今年の作品についても「植物は完璧に折れ曲がり、人間の足跡もない。その複雑さからして、これは本物だ」と地元メディアに語っている。驚くべきことに、彼は昨年、杭の跡まで発見されたサークルでさえ「本物だ」と断言していた人物だ。

　一体、イプアスの畑で何が起きているのか。宇宙人が本当に毎年律儀にこの町を訪れ、年々少しずつスキルアップしながら“グラフィティ”を描いているのだろうか。それとも、町のしたたかな観光戦略に、地元の誰かが協力しているだけなのだろうか。

　どちらにせよ、本場イギリスの洗練されたミステリーサークルと比べると、ブラジルの“宇宙人”は、もう少しデザインの勉強が必要なようだ。

参考：Portal Vigília、ほか

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

関連記事

• 

  ミステリーサークルが消失？ 畑の所有者である農夫が下した現実的な決断とは

• 

  「ミステリーサークルは犯罪です」イギリス警察が異例の警告！不法侵入と盗難の連鎖とは

• 

  UFOの聖地に再び“謎の紋章”出現！ストーンヘンジ近郊、ミステリーサークルの“ケルト暗号”は何を語る？

• 

  異次元からのメッセージか！？幾何学模様のパズル型ミステリーサークル出現！