地球平面説、物理学者に瞬殺される… 「地平線が真っ直ぐな理由」があまりに単純すぎた

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 地球は平面なのか――。地球が平らであると飽くなき主張を続ける地球平面論者の論拠が完全否定されている。

■地球平面論が完全否定される

 地球平面論は史上最大の陰謀論の一つであるが、ITV番組の最近のエピソードに出演したマーカス氏とエルサ氏が自分たちは「地球平面論者」であり、地球が球体ではないと考えていることを力説した。

「世界が平らであることを示唆するきわめて確かな証拠がまだあると思います」とマーカス氏は話し、その証拠を尋ねられると「実際に地平線を見ると、それが直線であることです」と答えた。

 マーカス氏はさらに、宇宙からのすべての写真は明らかにAIによって作られた偽物であり、人類は一度も月に行ったことがないのだと指摘する。

 一方、同じく地球平面説を唱えるエルサ氏は「宇宙は実在しないと思う」と説明し、私たちはドームの中に住んでいると主張する。

 勢いづいている地球平面論者の2人だが、ある科学者が残酷な判決を下し、最も一般的な地球平面論の根拠の一つを即座に完全否定している。

 ノッティンガム・トレント大学の物理学講師、イアン・ウィテカー氏は、我々が見る地平線が真っすぐである理由はきわめて単純で、我々が宇宙ではなく地上にいるからであるという。

 地上レベルでは地平線は約6㎞先に見えるが、この距離では地球のカーブを見るには十分ではないということだ。

 地球のカーブを十分に見渡せる高度に達した場合にのみ、我々はその曲線を認識できるのだ。したがって事実上、地球のカーブは宇宙からしか見ることができない。

「地平線が曲線が見えない理由は単純に規模が大きいからです」とウィテカー氏は「Daily Mail」紙に語った。

 もし人間の身長が20㎞になったとしたら、理論的には広い範囲にわたってカーブが見え始めるかもしれないが、それでも地球の半径の1パーセント未満であるという。

「地球の半径の5%の高さになりたいとしたら、身長が約320㎞の人間について話していることになります」とウィテカー氏は説明する。地球のカーブを実感するには高度32万メートルの上空に到達しなければならないのだ。そしてそこは地球の大気圏をはるかに超えた宇宙空間である。

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 人類が地球の本当の形を初めて理解したのは2000年以上も前のことだが、地球平面論を信じるコミュニティが拡大したのは主にインターネットのせいだと考えられている。

 ギリシャの哲学者、ピタゴラスは紀元前500年頃に地球は丸いと提唱し、その後にアリストテレスが地球は球体であると宣言したのは紀元前350年頃である。

 これは赤道からどんどん離れて行くと空に見える星座についてアリストテレスが行った観察に基づいていた。

 ご存知のように20世紀に人類が宇宙に進出すると、人間は地球の驚くべきカーブを自らの目で目撃できるようになった。

 現在、「ブルーオリジン」などの宇宙旅行会社のおかげで、宇宙飛行はこれまで以上に身近なものになってきている。宇宙旅行は現在一人当たり1億円前後の費用がかかるといわれているが、業界が成熟するにつれて価格は下がる可能性がある。

 地球平面論者が宇宙旅行に出かけ、自分たちが間違っていることを自分の目で確認できる日はそう遠くないのかもしれない。

参考:「Daily Mail」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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