科学者が“本気で”宇宙人の存在を信じかけた5つの衝撃事件簿。Wow!シグナルからオウムアムアまで

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「我々は宇宙で一人ではないのかもしれない」。近年、米議会でUFOに関する公聴会が開かれるなど、地球外知的生命体の存在は、もはやSFの世界だけの話ではなくなった。しかし、科学の歴史を振り返れば、これまでにも天文学者たちが「ついに見つけたかもしれない」と、本気で息をのんだ瞬間が何度かあった。

 それらは後に自然現象だと説明されたり、あるいは未だに謎のままだったりする。しかし、そこには確かに、人類の世界観を根底から覆しかねない、一瞬のきらめきがあった。ここでは、科学史に刻まれた、「エイリアン発見まであと一歩だったかもしれない」5つの衝撃的な事件を紹介しよう。

1. 宇宙からの“Wow!”―72秒間の謎の電波信号 (1977年)

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Credit: Big Ear Radio Observatory and North American AstroPhysical Observatory (NAAPO). – http://www.bigear.org/Wow30th/wow30th.htm, パブリック・ドメイン, リンクによる

 1977年、オハイオ州立大学のビッグイヤー電波望遠鏡が、いて座の方向から、驚くべき電波信号を捉えた。その信号は、宇宙の背景ノイズの30倍以上という異常な強度を持ち、非常に狭い特定の周波数帯に集中していた。これは、自然現象では考えにくい、極めて人工的な特徴だった。

 このデータを発見した天文学者ジェリー・エーマンは、あまりの衝撃に、プリントアウトされたデータシートの余白に「Wow!」と走り書きした。これが、後に「Wow! シグナル」と呼ばれる、SETI(地球外知的生命体探査)史上、最も有名で、最もミステリアスな信号である。

 その後、同じ領域は何度も観測されたが、この72秒間の謎の信号が再び捉えられることはなかった。それは、通りすがりの宇宙船からの挨拶だったのか、それとも単なる未知の天体現象だったのか。その正体は、今もって解明されていない。

2. 葉巻型の使者「オウムアムア」 (2017年)

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想像図 ESO/M. Kornmesser – https://www.eso.org/public/images/eso1737a/, CC 表示 4.0, リンクによる

 2017年、太陽系を猛スピードで駆け抜けていく奇妙な天体が発見された。ハワイ語で「遠方からの最初の使者」を意味する「オウムアムア」と名付けられた、史上初の恒星間天体だ。

 その姿は、あまりにも異様だった。極端に細長い葉巻型、通常の小惑星の10倍以上という高い反射率、そして、重力だけでは説明のつかない謎の加速。これらの特徴から、ハーバード大学の天体物理学者アヴィ・ローブ教授は、「あれは自然物ではなく、地球外生命体が作った人工物、つまり宇宙船である」という大胆な仮説を提唱し、世界的な大論争を巻き起こした。

 他の多くの科学者は、薄い氷の塊が窒素ガスを噴出した結果だと反論したが、ローブ教授は今も自説を曲げていない。

3. 金星に“生命の痕跡”?ホスフィン騒動 (2020年)

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探査機「あかつき」が撮影し、紫外線フィルターを通した画像 Kevin M. Gill – https://www.flickr.com/photos/53460575@N03/50495187752/, CC 表示 2.0, リンクによる

 2020年、科学界に激震が走った。「生命の存在しない灼熱の惑星」と考えられていた金星の大気中に、「ホスフィン」というガスが検出されたと、科学誌『ネイチャー・アストロノミー』が報じたのだ。

 地球において、ホスフィンは主に微生物によって生成される。つまり、これは金星の雲の中に、生命が存在する可能性を示す衝撃的な発見だった。世界中のメディアが色めき立ったが、この夢のような話は、長くは続かなかった。後のNASAによる検証で、ホスフィンの存在は確認されず、当初のデータは観測エラーであった可能性が高いと結論付けられたのだ。

4. 宇宙の灯台?高速電波バースト (2007年~)

 2007年以降、天文学者たちを悩ませているのが、「高速電波バースト(FRB)」と呼ばれる謎の現象だ。これは、宇宙の彼方から、わずかミリ秒という極めて短い時間に、太陽が数日かけて放出するエネルギーに匹敵する、強力な電波が飛んでくるというものだ。

 その多くは一回限りの現象だが、中には周期的に繰り返されるものも発見されている。ここでもまた、アヴィ・ローブ教授は「強力な電波を必要とする、エイリアンのテクノロジーかもしれない」と指摘する。しかし、主流派の科学者たちは、マグネターと呼ばれる極めて強い磁場を持つ中性子星などが原因の、自然現象だと考えている。

5. 「我々は40年前に火星で生命を発見していた」 (2019年)

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Image by Thomas Huber from Pixabay

 2019年、NASAの元科学者が、科学誌に衝撃的な告白記事を寄稿した。ギルバート・レヴィン氏。彼は、1970年代に火星に着陸した探査機「バイキング」の生命探査実験の責任者だった人物だ。

 彼は、「我々の実験データは、火星に微生物が存在することを示していた」と断言。しかし、当時の科学界はその結果を認めず、40年以上にわたってその事実は葬り去られてきた、と主張したのだ。

 これに対し、NASAは「バイキングの実験結果だけでは、並外れた証拠とは言えない」と、彼の主張を公式に否定している。

 科学者カール・セーガンが遺したように、「並外れた主張には、並外れた証拠が必要だ」。これらの5つの事例は、いずれもその“並外れた証拠”を提示するには至らなかった。しかし、科学者たちが一瞬でも「我々は一人ではないかもしれない」と本気で考えた興奮の記録として、これからも語り継がれていくだろう。

参考:Express.co.uk、ほか

TOCANA編集部

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