ババ・ヴァンガは「シベリアの古代病原体」を予言していた!? 研究所職員の死とペスト疑惑で再燃する「黒死病」予言説

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 不吉な予言は、現実の不安と結びついたときに息を吹き返す。ロシア・シベリアの研究所で働いていた女性が亡くなり、「ペストではないか」という疑惑が世界を駆け巡るなか、ネット上ではブルガリアの予言者ババ・ヴァンガの名前が再び持ち出されている。

 彼女はシベリアから疫病が広がることを見通していたのではないか、というのだ。もっとも、ロシア当局はペストの検出を否定しており、情報はいまも錯綜している。

研究所職員の死と「病院封鎖」報道、当局は否定

 亡くなったのは、イルクーツクの対ペスト研究所に勤めていたダリア・シピロワさんだ。英メディアなどは、職場で試験管を割ったことで「型が特定されていないペスト」に感染したとの疑いを伝えた。独立系メディアは、シベリアで5つの病院が隔離のために閉鎖されたと報じている。

 これに対し、ロシアの消費者権利・公衆衛生監督庁(ロスポトレブナドゾル)は10月4日夜、故人からペストは検出されず、死因は原因不明の肺炎だったと発表した。研究所での事故や安全規則違反もなかったとしている。

 接触者約200人の検査でも危険な病原体は見つからず、検出されたのは新型コロナウイルスとライノウイルスがそれぞれ2人だけだったという。病院閉鎖についても、地元のTelegramチャンネルは通常どおり稼働していると否定しており、見方は割れている。

 一方、米国務省は報道を把握したうえでCDC(米疾病対策センター)などと状況を注視し、ロシア側に迅速で透明な情報共有を求めた。米国の政治家などからはロシア発着便の停止を求める声も上がったが、そもそも米ロ間には現在、直行の商用便は飛んでいない。

SNSで拡散する「凍った古代病原体」予言

 騒動に予言の色を添えたのが、1996年に亡くなったババ・ヴァンガだ。アメリカ同時多発テロやチェルノブイリ原発事故を言い当てたとされ、死後30年がたった今も世界中で関心を集め続けている。

 今回、あるSNSユーザーは、ヴァンガがシベリアで凍っていた古代の病原体が解き放たれ、世界に広がると予言していたと主張した。同じ年には水不足の始まりや、人間以外の知性(NHI)との接触も起きると予言されていたという。ただし投稿には、その予言がいつどのような形で語られたのか、出典は示されていない。

 さらに注目されているのが、ヴァンガが2027年について予言したとされる内容だ。人類はこの年に大きな転換を迎え、身体に生物学的な変化が起きて超人的な能力を示すようになるというものだが、その変化がどう起きるのかは語られていない。英メディアの間では、謎の病気や遺伝子実験がきっかけになるのではないかとの解釈も出ており、研究所から漏れた病原体が思わぬ副作用をもたらすのでは、という不安につながっている。

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画像は「Daily Star」より

「黒死病」の記憶が予言に重みを与える

 人々がここまで敏感に反応する背景には、黒死病の記憶がある。1346年から1353年にかけてヨーロッパを襲い、推定5000万人の命を奪った、人類史上最悪級のパンデミックだ。

 原因はペスト菌(エルシニア・ペスティス)で、ネズミなどの野生のげっ歯類やノミを介して広がる。中央アジアで発生し、交易路に乗って世界へ拡散したと考えられている。

 とはいえ、現時点で当局はペストを否定しており、亡くなったシピロワさんの死因が「黒死病」だと断定できる材料はない。予言が的中したかのように語るのは、まだ早すぎるだろう。

それでも、不穏なニュースが流れるたびに真っ先にヴァンガの名が呼び出されること自体、彼女の予言が今も人々の不安を映す鏡として生き続けている証なのかもしれない。2027年の「大転換」がどんな形で訪れるのか、あるいは訪れないのか。その答え合わせを、世界は固唾をのんで待っている。

参考:Daily Star、Meduza、RFE/RL

TOCANA編集部

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