「新聞恐怖症」に25年間悩まされた女性! 「新聞臭」からの逃亡生活とは?
■ダイアンさんの家族は…?
幸い、ダイアンさんの子どもたちに「新聞恐怖症」は受け継がれなかったようで、3人の子どもは全員新聞を読むことが好きであるという。そして、母親がやって来たときは、すぐに新聞を捨ててあげるのだという。そうした周りの気遣いがあって、ダイアンさんは今まで生きてこれたのである。
だが、家族の努力だけでなく、ダイアンさん自身も愛する家族のために努力をしていたようだ。ダイアンさんは、新聞を読む夫のために、いつも手袋やバッグで装備して新聞を受け取り、夫が新聞を読んでいる間は、別の部屋に移動して窓を開け、心を落ち着かせいたそうだ。
ちなみに、「新聞恐怖症」の例としては、ダイアンさんのように臭いや感触が嫌という意外にも、「紙恐怖」「書籍恐怖」「吉報恐怖(いいニュースを聞くのが怖い)」といった恐怖症があるという。もはや、吉報なのか、凶報なのかよくわかりませんね。また、本屋に行くと便意をもよおす人も多いので、「新聞恐怖症」ではない人にとっても、紙や文字、インクには何か特別な作用があるのかもしれない。
ダイアンさんのように、幼少期の記憶が原因で恐怖症が発症するケースは多いが、米国の研究チームは「親の恐怖は孫の代まで遺伝する」とも発表している。あくまでもマウスの実験結果から導き出された論文ではあるが、「父親マウスが恐怖を感じた桜の匂いを嗅いだ時、子どもマウスが強く怯えた」のだそうだ。ダイアンさんの「新聞恐怖症」を珍しい目で読んでいたあなたも、実はまだ恐怖の対象に出会っていないだけなのかもしれない…。
(文=永田因)
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