中国高官が語った、政治中枢部「釣魚台」の女の幽霊と四人組事件!

■文化大革命を影で動かした幽霊

しかし、その幽霊の怨霊は、日の出の勢いであった江青にも襲い掛かる。1976年、毛沢東の死後、「四人組」の1人として逮捕され。1977年7月の第10三中全会で、党籍を永久剥奪され、最高人民法院特別法廷での裁判で、1981年に死刑判決(後に無期懲役に減刑)になり、1991年5月14日に、「毛主席 あなたの生徒 あなたの戦友が いま…会いに行きます」という古新聞の片隅に書いた遺書を残して、北京市北部の北京市昌平区にある小湯山秦城監獄で癌の療養中に首吊り自殺したのだ。

文化大革命の後、伝統や文化に縛られない中国共産党の政権の下では、このような言い伝えや非科学的なものは忌み嫌われている。このような釣魚台の幽霊の話も、表立って語られることはないが、政府高官の中では、まことしやかに語られている。

昨今、同じ「釣魚」という名前を使う「尖閣諸島」の問題が存在する。中国の中では「釣魚台は中国のもの」という、「釣魚島」「釣魚台」を間違えてしまったようなプラカードを掲げてデモ行進する姿もみられ、日本で嘲笑の的になっている。この動きに関して政府高官は「あまり大きな声では言えないが、北京の真ん中にある釣魚台を日本に渡すわけにはいかないが、その中の幽霊は日本に持って行ってもらいたい。それができないならば、幽霊の出る釣魚台だけは、日本が使えばよいのではないか」という声も聞こえてくる。実は、中国の政府の中枢には、今も幽霊がばっこしているのだ。


■中国で幽霊譚が多いのは、死体運搬の呪術?
 
 ところで、中国で幽霊というと「キョンシー」という言葉が思い浮かぶのは、私の年齢のせいであろうか。香港映画『霊幻道士』が公開されたのは1986年であり、そのかわいらしい動きに多くの人が魅了され、日本では「キョンシー・ブーム」が発生した。しかし、このような日本のブームを冷めた目で見ていたのは、ほかならぬ中国であった。

キョンシーとは、「硬直した死体であるのに、長い年月を経ても腐乱することもなく、動き回る」死体妖怪の一種だ。キョンシーの原型は、旅先で死んだ人達を故郷で埋葬しなければ、その家は不幸な事が起こるといわれた言い伝えから、死後硬直した死体を効率的に運ぶための方法として、道士が屍にお札を張り、呪術を用いて死体本人を歩かせ、飛ばしたという明・清時代の言い伝えだ。その道士の呪術を振り切って、恨みなどに任せて死体が生きている人を襲う妖怪がキョンシーなのだ。

中国には、このように呪術や道士という感覚が非常に多く、そのような言い伝えには事欠かない。このような言い伝えも、毛沢東による文化大革命によって「非科学的なもの」として排除されたのであるが、それでも生きている人の口をふさぐことはできない。現在でもこれら幽霊話や妖怪の話は、口承伝承によって生きているのだ。
(宇田川敬介)

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