小保方氏よりも悪質か? 早稲田大学准教授に「論文盗用疑惑」発覚! 地に堕ちた早稲田ブランド
【早稲田大学論文盗用疑惑問題を追う 第1回/全3回】
先日、小保方晴子氏の博士号取り消し確定を発表した早稲田大学。この事件に先立つ2013年には同大学公共経営研究科に在籍していた中国人留学生・晏英氏が10年9月に博士号を授与された際の博士論文「近代立憲主義の原理から見た現行中国憲法」に盗用・剽窃が多数発見され、13年10月、大学側は博士号取り消しを決定した。
さらに14年11月には同大学商学学術院の蛭田啓准教授(当時)が01年と03年に同大学商学部が発行した研究機関誌「早稲田商学」で公表した論文2本で、やはり盗用と認定され、懲戒解雇となった。
そして小保方氏問題がようやく決着したかに見えるいま、実はさらに別の論文盗用疑惑が起きていることはあまり知られていない。
まさに小保方氏の件について会見が行われる6日前、前年に懲戒解雇者を出した同大学商学学術院で臨時教授会が開催された。ここで審議に付されたのがその盗用疑惑である。商学学術院とは商学に関わる学部、大学院(研究科)、研究所等を束ねた同大学の組織である。
■准教授が学生3人の修士論文を盗用か
疑惑が浮上したのは遡ること1年以上前の14年7月。内部通報からだった。しかも、その疑惑は商学学術院商学研究科ビジネス専攻に所属する准教授が、自らが指導した学生の修士論文を盗用し、学会誌に単著論文を発表していたというものである。
ちなみに学位には大学卒業時点で取得する学士、大学院修士課程の修士、大学院博士課程の博士の3種類がある。これらの学位取得には原則論文の提出が必要になる。大卒者ならば、卒業時にいわゆる卒論とよばれる卒業論文の執筆であたふたした経験がある者も少なくないはずだ。
一般に博士号取得の際の博士論文は取得大学にかかわらず、完全公開で国会図書館でも閲覧可能だ。ただ、修士論文の場合は大学により対応は異なり、概ね非公開のケースが多い。今回問題が発生した商学学術院では、学生が指導教官の承認のもと、公開か非公開を選べる。
早稲田大学関係者は「早稲田内のケースでは、修士論文を執筆した学生が公開を選択するケースは極めて少ない」と語る。非公開となった学生の修士論文は、学内関係者しかアクセスできない。つまり非公開の修士論文を盗用したとしても、学外ではほとんど検証不能である。その意味では、博士論文での盗用疑惑が指摘された小保方氏の事件よりも悪質性は高いといえるだろう。
盗用疑惑を指摘されているのが、件の准教授が13年と14年に「日本経営学会誌」に単著として発表した論文と、やはり同准教授が14年に早稲田大学発行の学術雑誌「早稲田国際経営研究」に単著として発表した論文2本の計4本である。ある商学学術院関係者がその経緯を次のように語る。
「もともとはその准教授が日本経営学会誌に発表した論文のうち1本と早稲田国際経営研究に発表された論文のうち1本が二重投稿ではないかとの指摘から始まったのです。その調査過程で、学生の修士論文を盗用している疑いが浮上してきました」
二重投稿というのは同じような内容を2カ所以上の雑誌等に投稿することで、研究倫理上は不正行為とはいわずに不適切行為といわれる。これは学術誌も含め、投稿されたものは雑誌の発行主体が著作権を持つことが多く、二重投稿の結果、同じ著作物に2つ以上の主体が著作権を持つという複雑な状況になるのを避けるため、学術誌などの場合は、こうした行為を禁じていることがほとんどである。
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