STAP細胞捏造疑惑だけが問題ではなかった! 「ソーカル事件」からわかる、学問界の不備とは?

 連日ニュースを賑わせる「STAP細胞」問題。理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが発表し、当初は「生物学の歴史を覆す」とまで言われた研究結果が一転、現在は剽窃や捏造疑惑の渦中にある。しかも現在その疑惑は、小保方晴子氏が過去に提出した博士論文へと広がりを見せており、研究に関係した人物たちはもはや四面楚歌の状態だ。

 今年1月末、世界的学術誌「Nature」上で発表された小保方氏らの研究結果であるが、その後2月に入ってから、個人のツイッターやブログ上で、画像の転用や文言の剽窃を指摘する声が上がり始める。さらには世界の研究者から追試の失敗が相次いで報告されるようになった。現状、研究の信ぴょう性はまさに風前の灯火のように思えるが、果たしてこのような問題が発生してしまう背景には、一体何があるというのだろう。

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 文言の剽窃や画像の転用、実験結果の捏造などが発覚した場合、まずはその行為に及んだ側に大きな責任が生じるということは言うまでもない。しかし同時に、論文を審査する側、つまり研究所や大学そして学術誌編集部での査読の甘さが指摘され始めるのも当然といえる。図らずも彼らは、そのような不備ある研究を世に広める一翼を担っていたのだ。


■20年前の、ある実験が指摘している

 しかし、過去このような審査プロセスの問題に光を当てるため、あるアメリカ人の学者が仰天事件を起こしていることをご存知だろうか。企てた人物の名を取って、その事件は「ソーカル事件」と呼ばれている。

 1994年、ニューヨーク大学の物理学者であるアラン・ソーカル教授は、学術誌「Social Text」上にて「Transgressing the Boundaries: Towards a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity(境界逸脱:量子重力の変形的解釈学にむけて)」という重厚長大かつ難解な論文を発表した。しかしこの論文、難しいのは当たり前、なんとソーカル教授が意図的に作成した全くのデタラメ論文だったのだ。

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