本当にグニャグニャの18歳少年 ― 身長45センチ骨折回数300を超えるスイマー
オリンピックイヤーの2016年。パラリンピックの水泳競技にまた1人、世の注目を浴びる選手が登場する。
■300回以上の骨折を繰り返した不屈のスイマー
その選手は、インド南部のカルナータカ州の都市・ベルガウム在住の18歳、モイン・ジャンディ君だ。モイン君は先天性の疾患である骨形成不全症(Osteogenesis Imperfecta)を伴って生まれ、その四肢はこれまで300回以上も骨折を繰り返してきたという。
骨形成不全症の幼児は極めて骨がもろく、また変形しやすい疾患で、発生頻度は約2~3万人に1人とされている難病だ。モイン君の場合もまた、骨折を繰り返しその回復の過程で四肢が変形した状態で固まってしまっている。特に脚はあぐら座りをしているような状態で固着してしまったため、車椅子での生活を余儀なくされているのだ。脚が伸ばせないのでモイン君の身長は45cmと極めて低く、体重も約18kgと4、5歳児ほどしかない。
陸上では車椅子生活のモイン君だが、いったん水の中に入るや、メダリストの泳ぎを見せる優れたスイマーに変貌する。これまで数々の国際的な障がい者水泳大会において優秀な成績を収め、いくつものメダルを獲得しているのである。
「どんな状況にあっても人は諦めちゃいけないんだ。ボクは自分に障がいがあるとも、欠陥があるとも感じていません。ボクは水泳を愛しているし、世界で最も優れたスイマーになりたいんです」とモイン君は「Daily Mail」の取材に応えている。
2013年にプエルトリコのマヤグエスで開催された障がい者スポーツの国際ジュニア大会の水泳競技で、モイン君は見事金メダルを獲得した。これを含めて大小さまざまな水泳大会でいくつものメダルをゲットし、今日にいたっているのである。そして目指すは2016年リオデジャネイロパラリンピックだ。晴れの舞台でモイン君がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか俄然注目が集まる。
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