脳死患者が蘇生する? バイオ企業による禁断の実験「リアニマ・プロジェクト」が開始される=インド
英紙「Telegraph」(5月3日付)によると、脳死患者を試験的に蘇生させるという画期的なプロジェクトに対し、医療監視機関がGOサインを出したという。
■脳死者を蘇生させる「リアニマ・プロジェクト」とは

現在、脳死した人を蘇生させるための技術がアメリカで開発されているが、今回インドで倫理的問題がクリアされたため、「脳死者復活計画」が現実味を帯び始めた。これは「リアニマ・プロジェクト」と呼ばれ、アメリカとインドのバイオテクノロジー企業「バイオクオーク」と「レヴィータ・ライフ・サイエンシス」2社の協働により、インド・ウッタラーカンド州にあるアヌパム病院で実施される予定だ。
この研究では、脳の外的損傷により臨床的に脳死している20名に対し、ペプチド混合液を脊髄の中枢神経に毎日ポンプで注入。さらに2週間毎に幹細胞も投与し、それを6週間継続するという。また、昏睡状態にある患者を目覚めさせた実績のある神経刺激療法とレーザー照射も用いると発表されている。
この実験の被験者たちは、脳死判定を受けた後、ライフサポートでの延命状態に置かれている。実験の期間中、中枢神経系の一部が復活するかどうかを見逃さないよう彼らはMRIでモニターされる。特に、生命の維持に不可欠な呼吸や循環の制御機能を担っている脳の延髄(えんずい)部分に注目し、この機能の復活が蘇生への条件となる。
「バイオクオーク社」CEOであるイラ・パスター博士は「この史上初の試みは“脳死は回復できる”ことを証明するための足がかりとなるでしょう。最終的には、人類の死を反転させる可能性さえあります」と鼻息が荒い。まだ最初の患者20名を得たばかりではあるが「今後は病院とも連携し、『臓器提供をしたいが、宗教的理由や医学的制限によりできない』脳死患者の家族から了承を得て、どんどん患者をリクルートしていきたい」と抱負を語っている。
■「身体の一部機能を回復させるのとは訳が違う」という批判も
また、この科学者チームを率いる「レヴィータ・ライフ・サイエンシス」のヒマーンシュ・バンサル博士は、すでに中東とヨーロッパで、2人の患者に対してある程度成功の手応えを感じたと明かした上で「2、3カ月以内に最初の結果を報告できれば」と話している。
だが、一方でこの研究を疑問視する専門家もいる。イギリス・カーディフ大学センター・オブ・メディカル・エデュケーションの神経科学者ディーン・バーネット博士は、「“脳死からの再生”なんて、現在の神経科学レベルからみれば、あまりに先走りすぎているのではないでしょうか。身体の一部機能を回復させるのとは訳が違います」と警鐘を鳴らす。
確かに“少しだけ死んだ状態”で人間を生き返らせたりして問題ないのだろうか? 試験運用ではあるものの、わずかに一線を越えてしまった人体実験のような危機感を募らせる人も少なくないだろう。脳機能の完全蘇生へ向けた研究は、いま始まったばかりだ。
(文=佐藤Kay)
参考:「Telegraph」、ほか
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