死後48時間生き続ける遺伝子が発見される! 驚愕の「デスサバイバル遺伝子」が死の定義に革命を起こす!
人間が進化のどの段階で「死」を意識するようになったかは諸説あるが、太古から死は神話や宗教の中で様々に解釈されてきた。その中でも、「死後の世界」は特に関心を引いてきたテーマと言えるだろう。キリスト教における天国や、仏教の極楽浄土など、主要宗教においても死後の世界は重要な位置を占めている。また、伝統宗教に飽き足らず、自ら死後の世界を探求する新宗教もある。全身サイボーグ化により不死を主張する科学者は現代でも枚挙に暇がない。
筆者自身も死を恐怖していて、できるだけ長く生きていたいと思っているし、多くの人が同じように感じているだろう。だが、安心して欲しい。死後の世界はあるかもしれない。
■完全に死ぬにはプラス2日必要?
6月21日付の「New Scientist」によると、何千もの遺伝子が死後も活発に活動するという驚きの研究結果が発表された。ワシントン大学の研究チームは、1000個以上の遺伝子が死後も活動しており、その中には死後2日に渡り活動し続けるものもあるとのことだ。詳しく見てみよう。
ピーター・ノーブル教授らは、小型魚のゼブラフィッシュとネズミの伝令RNA(mRNA)レベルを死後4日目と死後直後で比較することで今回の発見に至った。
mRNAとは、遺伝情報に従って、タンパク質の合成に関与する成分だ。ゆえにmRNAに増加が見られれば、タンパク質が生成されていることが分かるため、それが死後直後に増加していれば、死後にも細胞が活動していることになる。
実験の結果、全体的にmRNAレベルは低下したが、ゼブラフィッシュとネズミにおいて、それぞれ548個と515個の遺伝子が死後に数回活動のピークを迎えた。さらに、これらの遺伝子の活動は、崩壊する他の遺伝子とは明らかに違う振る舞いを見せたそうである。つまり、死によって覚醒する遺伝子が一定数いるということである。また、同様のプロセスが人間の身体でも起こっていると推察される。
では、なぜ死後に覚醒する遺伝子があるのか? たとえば、大きな傷を負った際、それに反応して多くの遺伝子が活発となる生理学的な過程がある。死に際しても、同様のことが起こっている可能性があるが…。様々な解釈があるが、決定的なことは未だ分かっていない。
この発見には科学的に2つの意味があるという。法医学者にとっては、死亡推定時刻を算出することがより正確にできるようになり、臓器移植においては、移植手術の安全性に寄与することが期待されている。
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