結合双生児の巨人だった!? 身長3.7m、パタゴニアの“双頭”ミイラ「Kap Dwa」の謎

■結合体双生児の巨人か

 さて一体、この双頭の巨人、Kap Dwaは本当に存在したのだろうか?

 まず、紛れもなく実在した“巨人”は「疑う余地のない医学的な記録がある中で、最も身長の高い人間」としてギネスブックに記載されている男性、ロバート・ワドロー氏だ。1918年に米イリノイ州で生まれた彼の身長は2.72mである。

 脳下垂体腫瘍であったワドローは死ぬまで身長が伸び続けたという。したがって人間の身長はさらに高くなる可能性もあり得るが、3.7mあるKap Dwaが大き過ぎる自身の体を常に支え、自由に動き回ることは不可能ではないかという見方が有力である。

 ただ双頭については、結合体双生児ではないかという推測もあるようだ。だが、フリークスとして長年展示されてきたこの奇抜なミイラに胡散臭いさまざまな噂が飛び交うのは仕方ないことでもあり、結局のところいまだ真相には至っていない。

 だが、実は巨人の目撃情報はKap Dwaの他にもあり、同じく大航海時代にオランダ船の船長セボールト・デ・ウィールトはマゼラン海峡の横断中に、船に乗った赤褐色の肌と長い赤髪を持つ裸の巨人たちが自分たちの船を追いかけてくるといった恐怖の一部始終を伝えている。

 また、一番古い巨人の記述では、南米で伝承されている出来事や儀式をイタリア語で表記した写本『Codex Rio』の中に、アステカ人兵士たちが巨大な男を10人以上で倒して縄で引っ張る絵も残されている。

 欧米には南北アメリカ大陸にかつて赤い髪の巨人が住み着いていたという伝説があるが、それにはこういった文化的背景があるようだ。ちなみに、この伝説ではその昔、自然界の大変動が起きて元々住んでいた彼等の故郷を破壊されてしまったため、彼等はイカダに乗って海を渡り辿り着いた先が南北アメリカ大陸だということである。
(文=Maria Rosa.S)

参考:「EWAO」、ほか

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