人間の意識が宇宙を形成する「参加型宇宙論」にガチ進展! この世は全て“想像の産物”、人間こそ“絶対的主役”、過去も変えられる可能性
■足で蹴ると痛みが走る岩は実体物ではないのか?
参加型宇宙論から人間原理にさかのぼる流れには、さらに源流がある。18世紀の哲学者であり聖職者でのあったジョージ・バークリー(1685年-1753年)の人知原理論だ。
「存在することは知覚されることである」という基本原則を提唱したとされているバークリーは、世界は知覚の総体であり、モノの手触りを認識したとしても触覚という「知覚として」認識しているのであり、そのモノ自体の存在を把握したわけではないとしている。主観的に知覚した物事のみがその当人にとっての“現実”であり、その意味で物質は実体ではないととらえているのだ。これはくしくも、観測(知覚)することによって物事の“状態”が決定されるという量子論の考え方につながる部分があるとも言えるだろう。
しかしながら当時においても、人知原理論のような極端な理論はなかなか学術界には受け入れられなかったようだ。
18世紀イギリスにおいて、「文壇の大御所」と呼ばれた文学者のサミュエル・ジョンソンがバークリーと当時論争を交わした記録が残っている。世界のすべては我々の知覚を通じて心の中にあると主張するバークリーの主張に、サミュエル・ジョンソンは岩を勢い良く蹴ってつま先の痛みに耐えながら「かようにして私は反論する」と発言したエピソードが残っているという。
力強く蹴れば人を負傷させるこの岩が実体物ではないのかと詰め寄ったジョンソンだったのだが、残念ながらバークリーに言わせればつま先の痛みという“知覚”によってこの岩が認識されたことになるだろう。科学界のメインストリームでは受け入れられないものの、このような人間原理系の理論はこの頃からなかなかしぶとく(!?)続いてきたとも言えるのだ。
■参加型宇宙論が前提となる社会が到来する
そして参加型宇宙論は、今年に入ってまた新たな展開を見せているようだ。
医学博士でありスピリチュアル・メンターであるディーパック・チョップラ氏と物理学者のメナス・カファトス氏がこの2月に出版した共著作『You Are the Universe: Discovering Your Cosmic Self and Why It Matters(宇宙、それはあなた:宇宙的自己の発見とその重要性)』では、来るべき時代には、現在の冷たく寒く寂しい宇宙が実りある“人間宇宙(human universe)”として完全に再定義されると訴えている。
もちろん本書は学術書ではなく、いわゆるスピリチュアル系の著作なのだが今後近いうちに人々の考え方に新たなパラダイムシフトが起こり、参加型宇宙論が前提となる社会が到来することになると述べられているのだ。
「心と体と魂をもって参加することを決めたならば、個人的なパラダイムシフトが起こります。するとあなたが今生きている現実は、慈しむか変えるかのどちらかになります。これらの2つの偉大な選択は、私たちがどんな存在であるのか、そして私たちが最大限の達成を遂げながら世界をより良く変革する方法についての大胆かつ新しい理解となります」(Amazonの本書紹介文より)
参加型宇宙論は我々にとって宇宙が身近に感じられる理論でもあるだろう。そして主役は宇宙ではなく、あくまでも我々人間であるとするならば、我々のさまざまな考えや思いが実現することにもなる。不吉で不気味な兆候ばかりが目立つ今の世の中ではあるが、こうした一縷の希望を見いだせるトレンドも注目を集めているのは明るい材料かもしれない。
参考:「New Scientist」、「Daily Galaxy」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊人間の意識が宇宙を形成する「参加型宇宙論」にガチ進展! この世は全て“想像の産物”、人間こそ“絶対的主役”、過去も変えられる可能性のページです。量子論、仲田しんじ、意識、人間原理、人知原理論、参加型宇宙論などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで