カマキリが「最低最悪な肉食昆虫」である10の理由を東大教授が“発狂解説”! 壮絶ななぶり殺し…意外な魅力も!

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 まれですが、がっぷり正面対決で獰猛パワーを見せつけてくれる個体もいるのがあいつらの奥深さ(理由10)。ヘビの大暴れを左腕一本で最期まで押さえきったり 、サソリ相手でも真っ向組み勝ったり 、驚いたのはカメレオンを頭から食っちまった例があること 。樹上で鉢合わせし、敵が必殺の舌を伸ばそうとした瞬間、〈攻撃こそ最大の防御〉とばかり顔につかみかかる。一度は振り払われたものの、再び挑んでかじり殺してしまいましたわ! ひえぇ……。

カマキリが「最低最悪な肉食昆虫」である10の理由を東大教授が発狂解説! 壮絶ななぶり殺し…意外な魅力も!の画像4
ヘビを腕一本で押さえつけ捕食するカマキリ。画像は「YouTube」より引用
カマキリが「最低最悪な肉食昆虫」である10の理由を東大教授が発狂解説! 壮絶ななぶり殺し…意外な魅力も!の画像5
カマキリの餌食になったカメレオン。無惨。画像は「YouTube」より引用

 結局あいつら、3つの点で超ユニークな肉食昆虫なのですわ。①勝つも負けるも逆転試合が際立って多い。②他者が苦手とする分野を得意とする。③おのれの苦手分野でたまに目覚ましい馬鹿力を発揮する

 ところで2010年頃から、日本で見慣れないカマキリの目撃報告が相次いでるの、知ってますか。ムネアカハラビロカマキリです。中国から輸入された竹ぼうきに卵が付いてたらしい。20世紀末のセアカゴケグモほど騒がれはしてませんが、「警告記事」が新聞にも載った侵略的外来種。「見つけしだい駆除してほしい。成虫は殺虫剤で、卵は焼き捨てて」と当局がキャンペーンしてました。

 でも……これを駆除せよって? たしかにこいつのせいで、日本在来種のハラビロカマキリが激減していることは事実らしいが……。ハラビロカマキリのボリュームとオオカマキリのスケールを兼ね備えたこの肉食虫が日本で繁殖してくれたら、うれしいじゃないですか? もう全国に棲みついたようだし、殲滅作戦、もうやめましょうや。

 ハラビロがムネアカハラビロに置き換わるってことは、カマキリ勢のパワーが上がって、ハチやらトカゲやらカエルやら苦悶じわじわ系の怨念、地縛霊×浮遊霊が日本各地の大地×大気にいっそう撒き散らされるってことですね! 生態系の新陳代謝。私は不器用ハンター、カマキリを応援します。仮にあいつに捕まっても、我ら哺乳類なら(血管神経系の作りゆえか)瞬殺昇天できるようですから 。

文=三浦俊彦

◆三浦俊彦(みうら・としひこ)
1959年生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学文学部教授。専門は、美学・分析哲学。和洋女子大学名誉教授。著書に『バートランド・ラッセル 反核の論理学者:私は如何にして水爆を愛するのをやめたか』 (学芸みらい社、2019年)、『エンドレスエイトの驚愕: ハルヒ@人間原理を考える』(春秋社、2018年)、『改訂版 可能世界の哲学――「存在」と「自己」を考える』(二見文庫、2017年)など。

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