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令和時代の「お笑い」はどう変わるのか? 『教養としての平成お笑い史』著者・ラリー遠田とキックの考える“未来のお笑い芸人”

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 お笑い評論家のラリー遠田の新刊『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が発売された。この本では、14の事件を題材に、平成のお笑いの歴史を振り返っている。本の発売を記念して、著者であるラリー遠田とサイキック芸人のキックの特別対談が行われた。第6回では、「言葉の笑い」と「動きの笑い」の流行り廃りについて語っている。

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画像は「Amazon」より引用

ラリー 僕がこの本で結論として書いたのは、これから令和の時代になって、どういうお笑いになるのかは分からないけど、今の状況が続かないっていうのは確かだと。テレビを中心にしたお笑いみたいな流れはもう終わりつつあるので、新しいものがどこかから出てくるんじゃないかなと。

 もともと、テレビで活躍している芸人を見て、自分もこれをやりたいと思って若者が入ってきていたわけじゃないですか。でも、今のテレビを見てそう思う人は減っているはずだから、この流れは続かないですよ。

キック 続かないでしょうね。僕がユーチューバーで最近すごいよく見ちゃうのが、Tさんっていう人の動画なんです。駐車違反をしているヤクザみたいな人にカメラを持って向かっていって、「お前、出ていけよ」みたいなことをやっているんですよ。その人から後で脅迫電話がかかってくるんですけど、その音声も全部YouTubeに流しているんです。なんかリアルすぎて面白いなあって思って。ここまでやるんだ、って。

ラリー ユーチューバーってそういうふうに、僕らが無意識のうちに「これはテレビじゃできないな」とか思っていることを、個人の責任で全部やれちゃうんですよね。

 でも、若者ってそういうのが格好いいって思うものじゃないですか。僕らも昔、ダウンタウンの番組で過激な企画をやっているのを興奮して見たりしていたんですよね。

 YouTubeで本当の「何でもあり」というのを見てしまうと、テレビは刺激が足りないと感じるのかもしれない。ある程度の制限の中でやっているっていうのが見えちゃってるから。

 そういう時代の変遷ということを考えると、お笑い界ではそれまでの価値観をひっくり返して次の世代の人がスターになるわけですよ。例えば、ビートたけしさんだったら、その前にあったザ・ドリフターズのきっちり作られた台本があるコントに対して、台本なしでお互いの暴露とか身内ネタをやりまくる『オレたちひょうきん族』をぶつけたわけです。あと、萩本欽一さんの家族的な温かみのある笑いを否定して、毒のある笑いを広めたんですよね。そして平成に入るとダウンタウンが出てきて、たけしさんの価値観も壊すんですよね。もっと細かい言葉のセンスを洗練させたような笑いになっていく。

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