ノストラダムスの予言「恐怖の大王」の真の正体判明! 1999年人類滅亡は間違い、真実はもっと恐い!?
■なぜキリスト教徒にとってイエスは“恐怖の存在”でもあったのか?
まず、この「大王」だが、原文ではgrand Royと記されている。英語でいえばグレート・キングである。つまり「恐ろしいが偉大な王でもある」というニュアンスだ。
聖書に詳しい人なら分かると思うが、イエスはしばしば「王」になぞらえられている。しかも、終末にやって来るとされる「審判の日」に人々を裁く役割を担っている。その際には誰も自分の罪から逃れられないとされている。
「アウト」だと「永遠の火」の中に投げ込まれ、「永遠の罰」を受けねばならない。
すると、人々にそのような審判を下す「大裁判官イエス」は、東洋でいう閻魔大王よりもはるかに怖い存在であり、当然「恐怖の対象」と考えられても不思議ではない。
カトリックのミサでは、イエス・キリストを指して「Rex tremendæ:レックス・トレメンデ」と称することがある。
Rexはラテン語の「王」だ。一方、tremendæに相当する正確な日本語はないらしいが、英語のtremendousの語源といえば何となく意味が分かろう。英語のtremendousは「巨大な、とてつもない、恐ろしい、凄まじい」の意味だ。日本語では「恐るべき御稜威(みいつ)の王」などと訳される。この「みいつ」とは「御威光」のことで、普通は神や天皇にしか使われない。
しかし、これは日本的な権威付けの表現であって、直訳なら「とてつもなく恐ろしい王」くらいが妥当ではないだろうか。
要するに、キリスト教圏では審判者イエスを指して、そういう表現すら用いるのだ。
そう考察すると、「恐怖の偉大な王」とは、キリスト教に強力に支配されていた当時のフランス人の、畏怖を込めたイエス像にぴったりであるとは言えないだろうか。
このように「アンゴルモアの大王」と「恐怖の大王」が具体的に何を指すのかが分かれば、「1999年の詩」が決して人類滅亡を予言するものでないことも分かるはずだ。
繰り返すが、1999年人類滅亡説はあくまで「五島説」に過ぎないのである。
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(超常分野研究家・山田高明 個人サイト「新世界より」「フリー座」)
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