絶対に泣ける恐い話…母を亡くした少女の身に起きた恐怖体験! 川奈まり子の怪談「インターホン」
すると、「はーい」とスピーカーから返事が流れた。
みよちゃんは心持ち青ざめて、マイクに向かってこう語りかけた。
「おねえさんですよね。成仏なさってください。もう大丈夫ですから」
それから佳恵さんたちの方を振り向いて、「帰ったらお仏壇に手を合わせよう」と話しかけた。
「おかあさんを安心させてあげなくちゃ。私がこういうヘマをちょくちょくやらかすから、彼の世で安眠できないのかもしれないけど……」
それを聞いて、佳恵さんは、「はーい」と返事をしたのは亡くなった母なのだと理解した。
怖いとは思わなかった。ただ、涙が溢れてきた。気がつけば妹も両手を目に当てて泣いていた。
その後も、2〜3年の間、留守のはずなのにインターホンを鳴らすと誰かが「はーい」と返事をすることがあった。
そんなとき、佳恵さんは妹とインターホンに向かって「おかあさん、あのね……」と、その日の報告をした。
しかし不思議なインターホンは次第に間遠になり、三回忌の法事の直後、親戚が家に集まっていたとき、インターホンが鳴ったので、みよちゃんが室内から「はい」と応えたら、
「ごめんなさい」
と、誰かが門のところからマイクに向かって囁いたのを最後に、ふっつりとこういうことは起きなくなった。
そのときは親戚がたくさんいる中で、みよちゃんが大声で「おねえさん! 謝らなくていいから、成仏してください!」などと言ったものだから蜂の巣をつついたような騒ぎになってしまったとのことだ。
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2024.10.02 20:00心霊絶対に泣ける恐い話…母を亡くした少女の身に起きた恐怖体験! 川奈まり子の怪談「インターホン」のページです。幽霊、川奈まり子、情ノ奇譚、インターホンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで