絶対に泣ける恐い話…母を亡くした少女の身に起きた恐怖体験! 川奈まり子の怪談「インターホン」

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画像は「Getty Images」より引用


 佳恵さんが中学校に入学するのとほぼ同時に、みよちゃんは家の近所の生花店で働きはじめ、それから間もなく店主と結婚して家を出ていった。

 けれどもすぐ近くに住むことになったので、生花店の人たちと佳恵さんたちは家族ぐるみで付き合うようになり、佳恵さんが成人する頃まで、みよちゃんはときどき家事を手伝いに来てくれた。

 みよちゃんから母の幽霊にまつわる話を聞いたのは、佳恵さんが高校二年生の頃のことだった

 その日は母の命日で、みよちゃんは朝から家に来て、仏壇にお供えをしたり、部屋の掃除をしたりしていた。

 深夜11時頃、佳恵さんがそろそろ寝ようと思って、おやすみの挨拶をするために父とみよちゃんがいる居間に行くと、父に引き留められた。

「今、みよちゃんから、おかあさんが亡くなった後で起きたことを聞いていたところなんだ。おまえも知りたいだろう?」

「うん! 何かあったの? インターホンのこと以外にも」

 佳恵さんが訊ねると、みよちゃんはうなずいて話しはじめた。

「この家に来たときから、玄関の靴が揃えてあるとか、冷蔵庫の中が整理されるとか、なんとなく不思議なことが1日のうちに何度も起きた。最初はお兄ちゃんか佳恵ちゃんがやってくれたんだろうと思っていたけど、つじつまが合わないことが度々あって……。それに初めの1週間ぐらい、毎晩、夢におねえさんが出てきて泣きながら家中を歩きまわっていたのよ! 死んでも死にきれないんだろうなぁと思って、怖さよりも気の毒だと思う気持ちが先に立った。そのうちに、家のあちこちでおねえさんを見かけるようになって……。視界の端にチラッと入るだけで、振り向くとすぐに消えちゃうから、これも気のせいだと思おうとしたんだけど、黄昏時に買い物から帰ってきたら、2階の窓のところに立っているのを、外からはっきり見ちゃって……。悲しそうな顔で庭を見下ろしてたっけ。始業式の日に佳恵ちゃんたちが鳴らしたインターホンに返事があった、あのちょっと前のことだった」

「だからインターホンのとき、あんまり驚かなかったんだね?」

「うん。おにいちゃんも全然ビックリしなかったよね。三回忌のときも」

 水を向けられると、佳恵さんの父も「知っていたからね」と言った。

「おかあさんが家にいる感じが、ずっとしていたんだよ。寝室で寝息を聞いたこともあったな……。あれは不思議だった。本当に、おかあさんが隣で眠っているような気がしたからね。午前2時すぎにタクシーで帰ってきたとき、鍵を開けて玄関に入ろうとしたら、中で灯りがパッと点いたこともあった。みよちゃんが起きていたのかと思ったが、そうじゃなかった。みよちゃんもおまえたちも眠っていた。あれはきっと、おかあさんの幽霊が電気を点けてくれたんだよ」

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