モンサントのメディア操作が内部告発される! 論文偽造、学者に圧力、発がんリスク隠蔽… 「ダークマネー計画」全貌!

■“育成”された記者が国際がん研究機関を批判

 悪質な例は他にもある。

 モンサント社が操る米国健康科学会議(ACSH)は、ギリアムの他にも、ピューリッツァー賞受賞のニューヨーク・タイムズ紙記者エリック・リプトンを「エセ科学信仰者」と、元ニューヨーク・タイムズの記者ステファニー・ストロームを「無責任ジャーナリズム」、ニューヨーク・タイムズ紙記者のダニー・ハキムには、「ダニー・ハキムは嘘をついている」という記事によって非難していた。もちろん理由は簡単だ。彼らがモンサント社に関する批判記事を書いたからである。

 こうして、モンサント社に否定的な記事を書いた記者に嫌がらせをしつつ、一方モンサントは、自社に好意的な記事を書くジャーナリストを育成し始めた。

 2015年、ついに国際がん研究機関(IARC)が、ラウンドアップの主成分グリホサートを発がん性物質として分類し、ラウンドアップの危険性が大きく報道されだした。

 しかし、なぜかロイター通信はこの調査研究に反対し、この研究には整合性が無いと疑問を投げかけ、国際がん研究機関(IARC)を批判する記事を掲載した。モンサントの内部文書によると、この記事はモンサント社の重役サム・マーフィが、ロイター通信の記者に書かせたものであった。マーフィーは、モンサント社が希望する内容の筋書きと、その構成に必要なスライドを記者に渡していた。

モンサントのメディア操作が内部告発される! 論文偽造、学者に圧力、発がんリスク隠蔽… 「ダークマネー計画」全貌!の画像3
「The Guardian」より

■モンサントによるメディア操作の実態が続々と明るみに

 最近、もう1通の社内メールが明るみに出た。それによると、モンサントは少なくとももう2件、ロイター通信の国際がん研究機関に関する記事を操作していたことが分かっている。

 2016年3月1日付けのモンサント社の社内Eメールは、国際がん研究機関を批判するための「レッドフラッグ」キャンペーンを計画している。「レッドフラッグ」はアイルランド、ダブリンに拠点を置く広報およびロビー活動会社だが、「レッドフラッグ」が関与しだして、ロイター通信の国際がん研究機関批判は勢いを増した。

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