モンサントのメディア操作が内部告発される! 論文偽造、学者に圧力、発がんリスク隠蔽… 「ダークマネー計画」全貌!

■「ダークマネー・プロジェクト」とは?

 また、ラウンドアップ使用によってがんになった原告を代表する弁護士ティム・リッゼンバーグは、モンサント社に好ましい世論を勝ち取るための「ダークマネー・プロジェクト」を発見・追跡したと語った。

 ダークマネー・プロジェクトは、報道機関にモンサント社に有利なニュース記事を掲載させること、そしてモンサント社の宣伝記事をジャーナリストに書かせ、それを拒否した記者の信用を傷つけ、嫌がらせをするためのプロジェクトである。またモンサント社は、自社に有利な情報を拡大するために、関係団体に密かに資金を供給してもいた。

 リッゼンバーグ弁護士はこう言う。

「私たちは、“客観的な報道”を装ってモンサントを宣伝していたモンサント社の“ペット”であるジャーナリストを何人も知っています」

 一方、十分な証拠を積み上げ、モンサント社に反論する勇敢なジャーナリストももちろんいた。そのようなジャーナリストに対しモンサント社は、彼らへ人格攻撃を行い、ジャーナリストとしての信用を落とそうとした。

 下記は、モンサント社が不利な記事を書いたジャーナリストへ、どうやって妨害したかの実例だ。

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キャリー・ギリアム記者 「Carey Gillam」より

 キャリー・ギリアムは調査ジャーナリスト兼研究者で、米国企業について25年以上の取材経験を持つベテランジャーナリストだ。1998年以来、ギリアムは食料・農業関連の大企業の調査・取材に焦点を当ててきた。

 2014年、ギリアムは大手のロイター通信に、モンサント社の遺伝子組み換え作物とラウンドアップの除草剤事業の危険性についての記事を書いた。すると、「Academics Review」というもっともらしい名称を持った組織が、ギリアムのロイター通信の記事について攻撃してきた。「Academics Review」は、自らが独立・公平な協会であることを装って、モンサント社側の言い分を大きく報道し、ギリアムの記事を批判した。 しかし後に、この「Academics Review」は独立公平な団体ではなく、モンサント社がスポンサーである団体だったことが暴き出された。

 また、裁判で証拠とされたモンサント社の機密社内文書には、どの企業とも無関係であることを標榜している米国健康科学会議(ACSH)の背後に、モンサント社の基金と指示があったことが示されている。米国健康科学会議(ACSH)の寄稿者による記事は、モンサント社を批判する人や団体を攻撃し、それらの親モンサント記事は大手新聞の「USAトゥデイ」、「ウォールストリート・ジャーナル」紙、そして「フォーブス」誌にも掲載されていた。

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