自分のことを第三者的に語るだけで賢くなると最新研究で判明! 「イリイスト日記法」の圧倒的な効果とは!?
実験は4週間日記をつけるという簡単なものだが、被験者の半分は一人称(私、僕など)で、もう半分は三人称(彼、彼女)を使って、毎日の出来事やニュースなどについて書くよう求められた。名付けて「イリイスト日記法(Illeist Diary Method)」である。そして日記をつける前後に行った推論能力テストの結果を比較したところ、一人称で日記を書いたグループでは大きな変化はなかったが、三人称で日記を書いたグループでは知的な謙虚さ(自分の知識の限界に気づくこと、いわゆる無知の知)が増し、より広い視点で物事を見て、妥協点を見つけることがうまくなっていたという。
また、三人称で日記をつけたグループでは感情の安定や、コントロールの向上も見られたという。4週間の実験期間が終わった後、被験者は親しい家族や友人に対してどんな感情を抱いているか、その感情が一ヶ月後にどう変化しているかを予測した。この予測では、一人称で日記を書いたグループはポジティブな感情を過大評価し、ネガティブな感情を過小評価する傾向があったが、三人称で日記を書いていたグループではより正確にひと月後の状態を推測していた。そのためなのか、ネガティブな要素についても適切に対処でき、感情的に安定していたというのである。
この研究を論文は現在投稿中で、プレプリントサーバー「PsyArXiv Preprints」で公開されている。
グロスマン氏は過去にもイリイズムの効用について研究しており、自分の身に起きた辛い、悲しい出来事を第三者として語ることが感情のコントロールに有用なことを明らかにしている。また、この手法による推論能力の向上により、株式取引のパフォーマンスが上昇する可能性をも示している。
「○○は〜」と自分の名前を主語にするのは気恥ずかしいものがあるが、「彼(彼女)は〜」と自分のことを他人事のように話してみるのはなかなか新鮮で面白い。日記をつけている人はぜひ一度この方法を試してみてほしい。感情に落ち着きが持てるようになる上、より賢くなれる……かもしれない。
参考:「Aeon」「PsyArXiv Preprints」「Science Daily」ほか
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