東大教授が「ペットの内面世界」を徹底解説! 犬猫的心情を追体験「彼らは空虚な、真っ黒な奈落を経験している」?
2019.10.08 16:00
見事的中。しかしご主人がもう一方の拳を開くと、もっと多くのおやつが。口のもぐもぐがピタリと止まって、哀しげな表情で固まってしまう……。
どの犬も基本的に同じ反応なのが可愛いですね。飼い主をじっと見るか、呆然とあらぬ方を向くかは個性でしょう。
最初のドヤ顔からして、犬に「誇り」の感情があることは間違いありません。しかし大得意も突然の「敗北感」にかき消されます。大量のおやつが目の前にあるのに食欲消滅。
ご主人に裏切られたのかも、という疑惑、恨み、怒りも混ざっていそうです。もっとよく考えるべきだったという悔恨、自嘲も。あるいは、「負けたのにいい気になって食っちまった……」という罪悪感がいちばん重かったり。
「誇り」が打ち砕かれたので、真逆の感情「羞恥」へ落ち込んだと見るべきかもしれません。「自分に責任はないはず」と信じているなら、恥は恥でも「恥辱shame」ではなく「embarrassment」か。後者に該当する日本語はなぜか存在せず、「きまり悪さ」「当惑」などと無理に訳されたりしますが……。
驚き、落胆、恥辱、エンバラスメント……その他さまざまな情緒が複合したパニック状態。ここで犬の内面には、人間界の誰もが味わったことのないほど空虚な、真っ黒な奈落が開口部を広げているのかもしれません。
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