東大教授が「ペットの内面世界」を徹底解説! 犬猫的心情を追体験「彼らは空虚な、真っ黒な奈落を経験している」?

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 手品への反応は、猫の場合、こんな感じです。

 このフリーズ……。ここでも類型表現がベタすぎて、見ているこちらもしばらくフリーズしてしまいますね。

 しかしなんというか、ヒヒと違ってこの猫の図は、地となる背景感情が見えてきません。

 人生について学んだ感じもしない。単に混乱しただけのような。こういう可愛さって、どうなんでしょう。

 手品もどきで犬や猫をいじる動画は無数に出回っています。おやつが消えるパターン、飼い主が消えるパターン……。どれもペットは素直にあたふたするだけ。犬猫の感情的ポテンシャルを、十分に引き出そうとする試みとは言えませんね。

 いや、ポテンシャルを引き出す試みの方が悪趣味と言うべきか。あのおやつ当ては犬的感情の微妙な表裏を明るみに出してはいましたが、人間不信的トラウマを植え付けたことでしょう。そんな光景を楽しめてしまう人間ってやつは、犬や猫にはとうてい理解できない邪悪な存在なのでは

 というわけで、犬や猫の感情を引き出す趣味としては、ポジティブでシンプルなのがいちばん? たとえばこんなの。

 可愛いですね、単純に。――いや、これも実は、猫お得意の欺瞞かもしれない。弱みを隠す仕草かもしれない。快感→陶酔→ツボを知られまい→「猫も笑う」とバレたらマズい→表情隠せ→どうせこのくらいが可愛いと思ってんだろ→敵・安心→偽装完璧

 いやいや、くすぐったければ笑っても大丈夫ですよ。猫が笑ったからって人間は警戒しませんから。

 ところで犬は、くすぐられなくても笑うんですね。

 この笑顔は――基本感情の「喜び」ですね。高次感情たる「可笑しみ」の笑いではありません。犬猫動画を見て我々が「可愛い!」と思う感情の主成分は「喜び」ではなく「可笑しみ」ですが……いつか、可笑しみ感情を学習した犬猫たちといっしょに犬猫動画を見て、笑いのツボを比べあう日なんてのが来るでしょうか……?

文=三浦俊彦

◆三浦俊彦(みうら・としひこ)
1959年生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学文学部教授。専門は、美学・分析哲学。和洋女子大学名誉教授。著書に『バートランド・ラッセル 反核の論理学者:私は如何にして水爆を愛するのをやめたか』 (学芸みらい社、2019年)、『エンドレスエイトの驚愕: ハルヒ@人間原理を考える』(春秋社、2018年)、『改訂版 可能世界の哲学――「存在」と「自己」を考える』(二見文庫、2017年)など。

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