東大教授が「ペットの内面世界」を徹底解説！ 犬猫的心情を追体験「彼らは空虚な、真っ黒な奈落を経験している」？

• 
• Xでポスト
• 

　落胆と羞恥の表現では、猫も負けてはいませんよ。私がネット上最高傑作だと感じた８秒のショットをご覧ください。

　コントの古典的ステレオタイプ動作である「ズッコケ」。絵に描いたような出来栄えですが、照れ隠しが見え見えなのもまた絶妙です。

　挫折感を無かったことにしようと即座に寝そべって、「ちょうど休もうと思ったところだし」――いつもながら自分自身を騙すことに成功しました。と思いきや人間どもの笑い声。「おぉっと見られてた!?」

　憤然と振り向き、すっくと立ちあがって「私は誤魔化してなどいない！」ことさらに潔く、獲物が逃げた方向をじっと見つめ直します。「しくじりましたョ私は。それが何か？」

　落胆→自分への羞恥→偽装→驚き→自己欺瞞への羞恥→嘲りへの反発→フェアプレイの捏造……失態を改竄しては修復を重ねる変わり身、その反射神経はあっぱれです。やはり失敗の記憶が積み重なると今後の人生にネガティブに影響するので、記憶を選択的消去する機能が猫の本能に備わっているのでしょう。今回は「笑い」という、猫に無縁の野暮な介入により失敗記録が保存されてしまい、気の毒でした……。

　ただ、こうした複合感情で魅せる犬猫動画はむしろ例外。単一の「驚き」を捉えたわかりやすいものが大多数です。有名なのは、カード消しの手品を見たヒヒの反応。

　こうも激しく驚いてくれると、人間同士の会話よりやり甲斐ありますね……。というかチンケなマジックに仰天してしまうほど、ふだん「退屈」に浸りっきりのヒヒだったわけですね。狭い空間に閉じ込められ、ヒトの視線にじろじろ晒される憂鬱な日々。無気力に身を沈め、ぼんやり正面の人間を眺めていたら……まさかの超常現象！

　世の中まだまだ刺激に満ちているものだ……このヒヒの人生、この日から少しだけワクワク度が増したのではないでしょうか。単純な驚きの〈図〉は、憂鬱や退屈という補色的な〈地〉のもとで鮮やかに浮かび上がってきたのでした。

 
• 前のページ
 
• 1
 
• 2
 
• 3
 
• 4

関連記事

• 

  表現の不自由展「中止を回避できた方法」を東大教授が公開！ ナチスの展示手口にならって…「もう一度、このやり方で開催しては？」

• 

  ”人類滅亡恐怖症”の東大教授が選ぶ「最高の滅亡映画」5選！ 隕石・核兵器…狂気の哲学者バートランド・ラッセルが水爆を愛した理由も！

• 

  カマキリが「最低最悪な肉食昆虫」である10の理由を東大教授が“発狂解説”！ 壮絶ななぶり殺し…意外な魅力も！

• 

  北方領土返還要求は“慰安婦問題でウダウダ言う韓国”と同じ醜態！ 日本に返還を要求する権利は1%もないと知れ！（東大教授寄稿）