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2016年の厚労省「医療大麻など存在しない」発言は何だったのか？高樹沙耶×高野政所×石丸元章が「大麻と逮捕のリアル」を語る！

2019.10.17 16:00 文＝石丸元章

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高樹　ただ、いまは時代の変わり目というか、YouTubeなどのネットで音源を聴けるという状況もあります。出荷や配信が停止されても、好きな作品を聴くことはできます。著作権者にお金が入らないという問題もありますが、発想を変えていけば、違ったところで勝ち組になっていく可能性がある。

　たとえば、私、電気グルーヴをあまり聴いたことがなかったんです。

高野　なるほど。ボクらは、いわば電気グルーヴ・チルドレン世代で、すごく影響を受けたんですよね。

高樹　でも、瀧さんが捕まったことをきっかけに。YouTubeでいろいろ聴いて、ハマってしまった。今では出荷、配信の再開を心待ちにしています。そういうこともあるという。

高野　ボクは、捕まって収入の道を絶たれて、ネットでも「ファンだったのに失望した」「がっかりだ」と言われしまった…。そんななか高樹さんはTwitterで「この人は悪くない」とつぶやいてくれて、すごく励まされました。

高樹　大麻取締法はおかしな法律だと思いますし、同じ痛みを知っていますからね。

2016年の厚労省「医療大麻など存在しない」発言は何だったのか？高樹沙耶×高野政所×石丸元章が「大麻と逮捕のリアル」を語る！の画像6 — 画像は「Amazon」より引用

高野　ボクは2016年８月に、『前科おじさん』という本を出しました。当時は大麻について発言すると炎上したり、その辺に理解のない人たちから総攻撃されたり大変でしたよね。それでTwitterも含めて、大麻について発言するのを“自粛”していたんですけど、ピエール瀧さんの件があって、電気グルーヴ・チルドレンとして黙っていられないーーと。

石丸　なるほど。

高野　それで、あれ以降、Twitterでも大麻のことをつぶやくようになったんですが、フォロワーは一時的に減っていくんだけど、大麻に興味がある人がフォローしてくれて、結果として増える、みたいな感じで一進一退を繰り返しています。

　逮捕後は世間全部が自分の敵のように思えて、人にこれ以上嫌われたくない、みたいな感じで常に世間の顔色を常にうかがうような発言しかできなかったし、やっぱり軽いPTSDみたいな感じになりますよね。でも、人に嫌われる事を恐れていたら、逆に応援してくれることもない、どうでもいい人になってしまうんですよね。

　昨年春に執行猶予も明けていますし、これから、自分の言いたいことを言っていこうと思っているところです。

高樹　石丸　がんばってください。

高野　しかし、逮捕されてよかった事ってあるかなあ。とりあえず今ここでお二人のトークにゲストとして呼ばれている事も含めて、新たな出会いたくさんありますし、それでも応援してくれる人とか、そういった事に対して偏見がない人とそうでない人が割とはっきり見えてくるってのはあります。大麻で逮捕は本当にバカらしいので、完全合法化とまではいかなくても非犯罪化、もしくは罰金420円くらいにしてくれないかな。

　——皆さん、逮捕されたことがありますか。逮捕は、突然の地震や台風のように襲い掛かってきて、すべてを奪い、メタメタにして、一生のあいだつきまとうひどい経験なのです。一方で——逮捕は貴重な経験でもあって、逮捕されて初めて見ることができる世界もまたある。目くるめく大麻DE逮捕の世界へようこそ。ああ～!!　そこ、そこの人！　気をつけてくださいね。

　追伸・イベントの模様は『週刊新潮』にも掲載された。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190922-00583531-shincho-ent

　後半へ続く――。

<後編はこちらから>

◎高野政所（たかの・まんどころ）

1977年1月27日生まれ。DJ、テクノユニット「LEOPALDON」リーダー。インドネシアのダンスミュージック「ファンコット」の伝道師としても知られる。明治大学政治経済学部経済学科卒業。2014年12月にメジャー・ファーストアルバム『ENAK DEALER』をリリース。2015年3月、職務質問を受けた際、大麻取締法違反で逮捕され、懲役６か月執行猶予３年の判決を受ける。著書に『前科おじさん』（スモール出版）

Twitter:@mandokoro

◎高樹沙耶（たかぎ・さや）

1963年8月21日、静岡県生まれ。元女優、元作詞家、石垣島のキャンピングロッジ「虹の豆」オーナー。1983年に主演映画『沙耶のいる透視図』で女優デビュー、映画＆ドラマシリーズ『相棒』ほか、数多くの作品に出演、人気を呼ぶ。著書に『贅沢な暮らし—衣食住が育む「心のラグジュアリー」』（エクスナレッジ）、『ホーリープラント聖なる暮らし』（明窓出版）ほか

Twitter: @ikuemiroku