世界から「リン」がもうすぐなくなる! しかしメディアは報じず、専門家も放置…このままだと大惨事に!?

 今日、世界が直面している難題はいくつもあるが、不思議なことに深刻でありながらあまり話題にならない問題もある。地球からリンが枯渇しつつあるという問題もそのひとつだ。

■専門家チーム「地球上ですぐにでもリンが完全に枯渇する」

 貴重な資源であるリンが地球上から枯渇しつつあるという。そして専門家はこの問題をこのまま放置し続けていれば、次世代において世界的な大惨劇を引き起こす可能性があると警告している。

 リンは、人間を含む地球上のすべての動植物にとって必須のミネラルである。また採掘されたリン鉱石から製造されるリン酸は肥料に欠かせない成分であり、世界の農業生産を支えている。

 問題は、リンは再生不可能な元素であり、今に至っても代替物がなく、なにより採掘される地域が非常に少ないことである。採掘されるリン鉱石の大半は中国、アメリカ、モロッコ、ロシアなどに偏っている。そして世界の農産物需要が増え続ける中で、リンの安定供給は徐々にひっ迫してきているのだ。

 40人の専門家による国際的な研究チームは、「この重要な元素を保護するために何もしなければ、この地球上のリンがすぐにでも完全に枯渇する」と警告している。

「Science Alert」の記事より

 この50年間において、リン酸肥料の需要は5倍に増加し、世界人口の増加に伴い需要は2050年までに2倍増すると予想されている。迫り来るリン枯渇の危機に対して、産業界、大学、研究機関の科学者たちは、いまだに準備すらできていないと指摘している。

「EU加盟国やアメリカでさえ、グローバルなリン資源を管理する責任を負う世界規模での協力や調整はありません」と研究チームの生態学者、カスパー・レイツェル氏は話す。

「EU水政策枠組み指令(EU Water Framework Directives)、またはアメリカ水質浄化法(Clean Water Act)は、主に生態学的な水質に焦点を当てており、リン資源の持続可能性を十分なレベルで統合していません」(カスパー・レイツェル氏)

 リン酸肥料の使用が増加することで土壌や水質にネガティブな影響が及ぶのだが、こうしたリンによる環境汚染を問題視するあまり、現実に需要のあるリンの安定供給についての問題は無視されがちであるということだ。

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