健康な老人を襲う「老人喰い」ビジネスの実態!“怖い介護サービス”で急成長する優良企業とは!?
家にあがるということでいろいろと介護を頼まれたり、何かセクハラまがいの嫌なことをされたりするのではないかと最初は心配したが、そんなこともまったくない。
「『見守りサービス』というネーミングがポイントで、あくまで介護ではないんです。手伝いが必なら同じ会社の派遣介護サービスで別料金になるというルールなので介護の手間は発生しないし、体を触ると不正行為と認定されて即座に見守りを打ち切ってもいいことになっていました」
つまり、自活はできるけど枯れかけたさびしい高齢者のお相手をするだけだ。
ある老人が嬉しそうに話してくれたことがあるのだが、
「これは銀座のクラブの老人版だな。それもずっと上品なやつだ」
アケミさんは銀座のクラブのサービスというものがどういうものかは知らないが、そういったニーズが世の中にはあるのだと思った。ちなみにアケミさんのような女性社員は主に男性老人のお宅を担当し、女性の顧客に対しては男性が担当することになっていた。
「時給は派遣会社の仕事とそれほど変わらないけれど、とにかく時間がゆっくり使えて、ランチ代が浮いて、その後べつの場所でお茶とお菓子を食べられて、前と比べれば天国のような職場でした」
ただアケミさんがちょっと気になったのが、仕事を終えて会社に戻った後、所長と30分ほどその日担当した老人との会話内容を報告するという業務だった。食事の際にどんな話をしたのか細かく質問されるのだ。
「嫁に行った娘とのいさかいがおきた話とか、体調や病気についての不満とかほんとうにたわいもない話ばかりなんです。ないしは現役の頃の手柄話とか、投資でこんなに儲けたとかそんな自慢話とか。あと認知症の兆候みたいなことは詳しく聞かれましたね」
アケミさんが違和感を感じていたのは、そういった話を聞きながら、所長が無表情にキーボードをカタカタ叩いて何かパソコンに打ち込んでいる時の様子だった。
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2024.10.02 20:00心霊健康な老人を襲う「老人喰い」ビジネスの実態!“怖い介護サービス”で急成長する優良企業とは!?のページです。企業、老人、怖い話、王山覚、銀行、老人喰いなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで