選ばれしキャバ嬢による「プロ孫」の世界 ― 1年間の研修、3つの書類、致命的ミス… 本当にあった“罪深き世界”
ある元キャバ嬢から聞いた怖い話です。
キャバクラが何を売っているところが、みなさんご存知ですか? あそこでは「夢を売っている」のです。「夢」や「希望」を売るビジネスは儲かります。女性に希望を売る化粧品会社。人々に夢の国を売るネズミの会社――。
そんな「夢」を売る、とある秘密のビジネスに、そのキャバ嬢は足を踏み込んでしまったというのです。ここから先は彼女から聞いた話です。
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鷹見陽菜、23歳。大学生の頃からキャバクラに勤め始め、卒業後もそのままお店に就職。お店での成績はまさに中の中で、明るくハキハキしているところが長所だが、華も毒もない、まさに彼女はそんな女性です。
その彼女が、ある日お店に出勤したところ、店長から「今日はお店に出なくていいからここに行って欲しい」と南青山の住宅街に連れて行かれました。そこは3階建ての建物で、現れたのは本当に美しい、でも陽菜の母親よりも年上の女性。それがマリアさんとの出会いでした。
後からわかったのは、マリアさんはそのキャバクラのオーナーで、ある目的からキャバ嬢たちを観察していたのだそうです。
マリアさんとは初対面で話が弾んだので、陽菜は最初は「話が合う人だな」と勘違いしたそうです。というのも、実はマリアさんは陽菜がお店で話したことや、ツイッターやフェイスブックに投稿した旅行や行きつけのお店、出かけたコンサートまで細かく調べており、それで彼女の話に完璧に合わせているだけだった。マリアさんはその種明かしをしたうえで、彼女に向かって「あなたにもそれができるかな?」と訊いてきました。
そして「あなた、友達に一千万円稼ぎたいと言っているわね?」とマリアさんは指摘したそうです。たしかにその通りでした。「その十倍稼ぎたいと思わない?」とマリアさんは陽菜に訊ねました。それで彼女は、静かにうなずいたそうです。
次の日から陽菜は、マリアさんの知人というテレビドラマの演出家の研修所に通うように言われました。
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