台風19号で”破壊”された多摩川のホームレス小屋&おじさんを取材!「ざまあみろ、バチが当たった」と笑う住民も…村田らむルポ!
一面、泥水でだらけになっていた。ゴルフの設備は全部倒れていて、流れてきた草や枝が折り重な
ってからみついていた。
まだ水が抜けきっておらず、魚がはねていて、それを子供たちが楽しそうに捕まえていた。台風一過の抜けるような青空にキラキラと水面が輝いて美しいのがとても皮肉に感じた。
橋の下に小屋を建てているオジサンに話を聞いた。
「今回の台風はさすがにいつものとは違ったね。すぐに風で天井飛んじゃったしね。水位はかなり上の方まで来たよ。ほら、ちょうどそのゴミがあるとこまで。そこまで水が上がってきた」
と、自動車で河川敷に降りるための坂を指差した。かなり上のほうだ。てっぺんまで、1メートルもないくらいところまで、水が上がってきていたのだ。溢れていてもおかしくなかった。
「台風が来るのは分かってたからね。前々日くらいからお役人さん(国土交通省職員)がやってきて、気をつけてくださいって言っていた。俺らもラジオは聞いてるから、さすがにみんな早めに逃げたよね」
ただ、そういう状況でも逃げなかった人もいたらしく、消防隊が来て連れ出したらしい。知り合いは全員、ご無事ですか? と聞くと、
「それが一人見当たらないんだよね。いつもいる人なんだけど、台風の後から見当たらない。ずっと1軒1軒回ってるんだけど見つからないね」
と言った。男性は長靴を履いていたが、泥で汚れていた。
ホームレスがいなくなっても、本当にいなくなったのかどうかは知りようがない。もともと正式な住所はないし、周りの人も本名も何も知らないから、警察に頼むわけにもいかない。もちろん警察に言ったとしても、まともに取り合ってもらえるとは思えない。
ちなみに彼が探している人かどうかは分からないが、後日多摩川でホームレスの方が亡くなっているのが発見された。
墨田区では、ホームレスの男性を避難所に入れさせないことが問題になっていたが、大田区ではどうだったのか話を聞いた。
「役所の人が来て『避難所があるから来てくださいね』って一人一人声掛けしていたよ。俺は行かなかったけどね。行ったって嫌われることわかってるから、行かないんだ。逆に一般の人が、避難所どこにあるかわからないって言ってたから、向こうにあるよって教えてあげた。意外と知らない人多かったんじゃないかな?」
と語ってくれた。この地域では逆に積極的にホームレスに声掛けをしていたようだ。
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2024.10.02 20:00心霊台風19号で”破壊”された多摩川のホームレス小屋&おじさんを取材!「ざまあみろ、バチが当たった」と笑う住民も…村田らむルポ!のページです。ホームレス、村田らむ、台風、河川敷、台風19号、多摩川などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで