台風19号で”破壊”された多摩川のホームレス小屋&おじさんを取材!「ざまあみろ、バチが当たった」と笑う住民も…村田らむルポ!

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 実際に僕も小屋があった場所まで歩いてみた。まだ水が抜けておらず、スネあたりまで水に浸かった。

 ヘドロに足を突っ込んでしまうと、ズプズプと埋まっていき、足が抜けなくなる。大量のカニがザザザザッと逃げていくのが不気味だった。

 高架下に大きな小屋が数軒建てられていた場所に来たのだが、少し残骸が残っているだけだった。

 電化製品などを集めて転売して稼いでいるオジサンの小屋があった場所だ。小屋はまるでなくなってしまい、集めていた電化製品や自転車、椅子などがいくつか転がっていた。

 森の方も確かめたかったのだが、泥で埋まってしまっていて、その日の装備では向かうことができなかった。

 それでも確認したかったので、橋を渡り上から見下ろしてみた。

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 木と木の間のところどころに青いビニールシートやゴミの残骸が見えたが、ほとんどすべて流されてしまっているようだった。樹木は思ったよりも丈夫でほとんど倒れていなかった。おそらくほとんどの小屋が流されてしまっただろう。

 長年取材していた場所だったので、呆然としてしまった。しばらく眺めていると、背後から声をかけられた。

「バチが当たったのよ!! こいつら、一級河川に勝手に住んでからに。全然かわいそうじゃないぞ!!」

 自転車に乗っているもう7~80歳のおじいさんが、喜色満面で言う。

「家から、わざわざ自転車に乗って見に来たのよ!! こいつらが流されてるだろうと思って。案の定流されてた!! ざまあみろだ」

 と言うと、笑いながら走り去って行った。

 正直、そういう気持ちになる人は多い。野宿生活をする人に対し、とても強い敵対心や嫌悪感を持っている人と会うことがある。それはまれなことではなく、たとえば出版関係の人でも

「あんなクズたちは死んだほうがマシ。いなくなっても日本人は誰も困らないだろ?」

 などと話す人をよく見る。

 しかし、台風で家が流された人を笑うものではない。それは、相手がどのような立場の人でもである。どうにも、やりきれない気持ちになった。

 取材日は台風の翌日だったため、まだ避難している人も多かったようだ。
 

 今後も、定期的に取材を続けていきたい。

文=村田らむ

村田らむ

ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)、『樹海考』(晶文社)、『ホームレス消滅』(幻冬舎新書)など。

 

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