謎多き古代ミイラ「アイスマン」の“本当の正体”がついに判明! 5300年前の凶悪事件と死ぬ直前の日々が発覚!
■アイスマンは“指名手配”だったのか?
アイスマンから採取されたコケ類の70%のほとんどは、現在のシュナルスタール渓谷にも自生しているということだ。
中でも決定的なのは、ヒラゴケの一種である「Flat Neckera」で、アイスマンの衣服にも胃腸内にも数多く発見されたのだ。
標高の低い場所から中程度のエリアで自生するコケ類に加えて、このFlat Neckeraの存在はアイスマンがシュナルスタール渓谷から北上したことを示す“可能な限り近い証拠”であると研究チームは言及している。
そしてこれは同時に、付近の隣接するほかの谷を訪れていた可能性を排除するものにもなる。とすればアイスマンの最後の旅は実に孤独な旅路であったことも予想される。
以前に行われた、付着した花粉の成分からアイスマンの足取りを追った研究でも、同様の研究結果が得られている。今日の人気のスキー場であるシュナルスタール渓谷が、アイスマンの最後の休息地であったことはより確かなものになったのだ。
こうしてアイスマンの孤独な“最期の旅”から無念にも殺害されるに到った経緯に鑑みると、アイスマンは共同体の何らかの戒律を破って指名手配になった犯人だったのかもしれない。高い山を越えて逃げようと目論むも、不運にも道半ばにして追手の追撃に倒れた“逃亡者”だったとも考えられる。
しかし、もし逃げおおせていれば、この地でこのような保存状態で発見されることはなかったのだ。この不運な死が、結果的には現代の我々にとってきわめて貴重な研究対象となってくれたことについては、アイスマンに感謝するしかないのだろう。
参考:「Daily Mail」、「PLOS ONE」、ほか
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