「この世は巨大な量子コンピュータ」大学研究で結論! 人間は量子情報の最小単位、OSのノイズ程度の存在にすぎない

■たぶん我々はシミュレーションの中で生きている

 研究チームによれば、我々がいるこの宇宙がそもそも量子論の世界なのである。あたかも量子コンピュータの超高速計算で生み出されているかように、世界は刻々と枝分かれして増殖を続けており、大宇宙から見ればわれわれの宇宙はホコリのようなものであるという。

 ではなぜ、量子論的現象が起きる時と起きない時があるのか。ユロフ氏らによれば、それは、隣接する「世界」との“距離”が関係しているという。隣接する世界と近い場合、量子的現象が起こりやすくなり、遠ざかるにつれて量子的性質は弱まり、いわゆる古典的物理学の世界になるということである。

 この世界が量子論的性質を持つものであるとすれば、何らかの相互作用をする対象が必要になるのだが、それは枝分かれした別の世界であるという。

 人間が量子論的存在を“観察”して古典的現実へと「崩壊」させる魔法の観察者ではない場合、我々は機械の歯車であることが濃厚になるという。おそらく宇宙は量子情報の最小単位のキュービット(qubit)で形成されており、我々もまたキュービットであり、大宇宙からしてみれば無視してよいほどのノイズのようなものであるという。

「この世は巨大な量子コンピュータ」大学研究で結論! 人間は量子情報の最小単位、OSのノイズ程度の存在にすぎないの画像3
「The Next Web」の記事より

 そして今回の研究をウェブメディア「The Next Web」の記事で取り上げたトリスタン・グリーン氏は、我々は結局のところ、同時に複数の宇宙にまたがる巨大な量子コンピュータが処理するシミュレーションの中で生きている可能性がかなり高いことを指摘している。それも残念なことに(!?)我々はビデオゲームのキャラクターのように存在しているわけではなく、オペレーティングシステムの実行を支援するほんのわずかな数値であるに過ぎないという。

 なんだか人間がちっぽけな存在であることをしみじみと実感させられる話になってしまったかもしれないが、今現在も枝分かれした別の世界で別の自分が生きている(死んでいる可能性もあるが)のだとすれば少しは愉快になれるかもしれない。そしてその世界とギリギリまで接近していた場合は、別の世界の自分と何らかの作用が生じ、量子論的現象が起きるのかも!?

参考:「The Next Web」、「Scitech Daily」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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