ブラックホールに近づいても吸い込まれない「謎の最強天体」が発見される! ガスでもなく、星でもない、エイリアンテクノロジーか!

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画像は「getty images」より

 10年来ブラックホール周辺をうろつく謎の天体が科学者を悩ませてきた。単なるガスでも星でもない不思議な挙動を見せ、一部では「エイリアンテクノロジーでは?」とも噂されているが……。

 天の川銀河の中心にはブラックホール「いて座A*(いてざエー・スター、Sagittarius A*)」が存在すると言われている。銀河系の中心に位置することからも分かる通り、その質量は莫大だ。そんな超大質量ブラックホールにひとたび接近すれば、その重力圏から逃れることは不可能だろう。

 しかし、宇宙情報サイト「Space.com」(1月16日付)によると、いて座A*の周辺には以前から奇妙な天体が6個も居残り続けているというのである。便宜的にG1~G6と名付けられたこれらの天体は地球の数倍大きな長方形の塊だという。

 最初の2つのGオブジェクトが発見されたのは、それぞれ2005年と2012年。この時、天文学者は死んだ恒星から出ているガス、もしくはブラックホールを取り巻くガスのコブのようなものだと考えた。しかし、2014年にG2が事象の地平面の数百天文単位まで近づいているにも関わらず、その形を保っていることが分かり、天文学界に激震が走った。もしガスであれば、ブラックホールの強烈な重力により粉々になってしまうはずだからである。

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Gオブジェクトのイメージ図。画像は「Sci News」より

 その後、カリフォルニア大学アンドレア・ゲズ教授らは、他にも4つ、同様の天体が存在することを発見した。それらは最初ガスのように見えるが、ブラックホールに近づくと、引き伸ばされていったという。

 一体これらの天体は何なのか? この度ゲズ教授らは、科学誌「Nature」に掲載した論文で、従来のガス説を否定し、連星であると結論付けた。連星とは互いの重力に引かれ合っている2つの恒星のことであり、簡単に言ってしまえば、太陽が2つある系のことである。

 この連星が数百万年前にブラックホールの重力で互いにぶつかり潰れたものがGオブジェクトの正体だというのだ。2つの恒星の爆発的な結合により大量のガスと赤外線が発生し、それによりガスの塊のように見えるとのことだ。しかし、ただのガスではないため、ブラックホールに近づいても粉々に引き裂かれることはない。

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