鮭の腹の中に宇宙人がいることが発覚! 地球で唯一「ミトコンドリア無し、呼吸もしない」謎のグレイ系生物がガチ発見される!
その身も魚卵も美味しいサケだが、なんとサケの身体の中にエイリアンの“グレイ”が寄生していた!? まるであのおなじみの頭のような奇妙な生物が発見されたのである。しかも、その謎の生物は呼吸しないで生きているというからますます怪しい。まさか無酸素の宇宙空間でも生存できるというのだろうか。
■ミトコンドリアを持たず呼吸をしない生物を発見
タマゴ型の大きな頭に、つり上がった大きな黒目を持つエイリアンといえば、ご存じ“グレイ”だ。
このグレイの頭部に似た形状の謎に満ちた寄生生物がつい最近見つかった。このミステリアスな寄生生物は、なんと酸素を必要とせず、生物の身体の構造に必須と考えられている「ミトコンドリア」もないという、まさにエイリアンであるかのように謎に包まれた存在なのだ。
サケやマスなどの美味な魚の身に入り込んで寄生するヘネガヤ・サルミンコーラ(Henneguya Salminicola)という寄生生物は、魚肉の中でまさに“息を潜めて”生きながらえている。なんとこのヘネガヤ・サルミンコーラは、これまで知られている地球上で唯一の呼吸をしない生物なのである。
このヘネガヤ・サルミンコーラが一生を魚や水棲の昆虫に寄生して生涯を送った場合、驚くことにおそらく酸素をエネルギーに変える必要がないという。
DNA科学者がこれまでに分析した地球上のほかのすべての多細胞生物には、例外なくいくつかの呼吸に関わる遺伝子があるのだが、今回「米国アカデミー紀要」オンライン版で発表された研究によると、このヘネガヤ・サルミンコーラはその“例外”なのであった。
研究チームは顕微鏡およびゲノム解析により、他のすべての既知の動物とは異なり、ヘネガヤ・サルミンコーラはミトコンドリアゲノムを持たないことを突き止めた。
呼吸に関与する遺伝子はミトコンドリアに保存されるDNAに占める割合は少ないものの一般的な生物にとってきわめて重要な部分である。つまりこのヘネガヤ・サルミンコーラは息をせずに生きていることになる。
どんなに驚いても驚き足りないのは、とにかく真核生物の細胞小器官であるミトコンドリアゲノムが“ない”という生物学史上初のケースになったことだ。
このヘネガヤ・サルミンコーラのようなミクソゾア(myxozoa)種の多くの寄生虫はクラゲとは遠い関係にあるグループと考えられている。ヘネガヤ・サルミンコーラも当初はクラゲのような外観をしていたかもしれないが、徐々に進化して今はその多細胞特性をほとんど持っていない。
「彼らは組織、神経細胞、筋肉、すべてを失いました。そして今、私たちは彼らが呼吸する能力すら失っていることも発見したのです」と、イスラエル・テルアビブ大学の進化生物学者であるドロシー・フション氏は科学系メディア「Live Science」に語る。
そのグレイの頭部のようなビジュアルといい、ミトコンドリアゲノムがなく酸素を必要としない特性はまさにエイリアンといっても過言ではない。
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