タイの「エイズ寺」に村田らむが潜入!HIV患者受け入れも「展示をやめろ」…感染赤子ミイラや男性器切断ミイラも展示!

 しばらく施設内を歩いていると、今まで見てきた寺院とは不釣り合いの近代的なビルが見えてきた。

 日本で取材のアポを取ってから来たので、その旨を職員に伝える。しばらくすると、細身の綺麗な女性が現れた。彼女はガイド担当らしく、笑顔で先導してくれた。

 一階の施設に案内される。

 入口の近くには大小様々な犬が寝ていた。勝手に集まってきた野良犬だという。彼らを刺激しないよう、そっとまたいで中に入る。そこにはベッドがスラリと何台も並んでいた。

「ここにいる人たちは全員、HIVウイルスに感染しています。このホスピスで、残された日々を過ごしています」

 と説明された。

 館内はクーラーは効いていなかったが、湿度が低いせいか居心地は良さそうだった。

 マスクをつけた若い男性に話を聞く。まだ二十代前半の若さでHIVのキャリアになってしまったという。そのこと自体は悲しいが、施設は明るくて楽しいそうだ。

 ベランダに出ると、めちゃテンションの高い患者さんもいた。イエーイとラッパーのようにポーズをとってくれた。確かに楽しそうだ。

「今は百数十人の方がこの施設にいます。コテージに住んでいる人もいます。実は私もキャリアです。ボランティアでスタッフをしています」

 ガイドしてくれていた女性がキャリアだと聞かされて、思わず言葉を失ってしまった。

 入居者は基本的に、無料で絶命するまでこの施設に住み続けることができるという。全て寄付金で賄われている。

 寄付金を集めるため、という理由だけではないが、『生の博物館』という博物館がある。わざわざ遠くから見学しに来る人もいるという。というか、かく言う僕は、日本からわざわざ見に来たのだ。

 ドキドキしながらその施設に向かうと、建物の外にたくさんの人形が並べられていた。

 人体の一部を抽象化したような不気味な像が並んでいた。近くで見ると、半透明なワックスの中に白いツブツブが入っているようだ。

「これは、エイズで亡くなった方の遺骨を砕いたものを、樹脂の中に混ぜて作った作品です」

 と言われた。

 そりゃまた、なかなか強烈なアートである。

 たしかにアートのそばには

『ART OF BONE RESINE FROM AIDS PATIENTS』

 と書かれた看板が出してあった。

人気連載

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.11.14 23:00心霊
彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.30 23:00心霊
深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.16 20:00心霊
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

タイの「エイズ寺」に村田らむが潜入!HIV患者受け入れも「展示をやめろ」…感染赤子ミイラや男性器切断ミイラも展示!のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで