意識と肉体はガチで分離可能! 臨死体験(NDE)の“共通パターン”が示す「死後の世界」衝撃の最新研究!
■NDEは科学で説明できるのか
1977年に米・シアトルの病院で心停止とNDEを体験したマリアさんの興味深いケースがある。
死の淵からの生還後の翌日、彼女はソーシャルワーカーに昨日の蘇生中に、意識が身体を離れて浮き上がり、病室の窓から外に出たと話したのである。
その後、意識は再びマリアさんの身体に戻っていったのだが、窓の外を出ている間、建物の3階の窓の桟(さん)にテニスシューズが置かれているのを目撃したと報告した。
話を聞いたソーシャルワーカーが気になってその3階に行ってみると、確かに窓辺にテニスシューズが置かれていたのである。蘇生を行っていた病室からは当然、3階の窓辺など見えるはずがない。
NDEにおいてこのような報告は枚挙に暇がないことから、心肺蘇生の専門家であるサム・パーニア教授などの研究チームでは、オペ室にいる者には見えない部屋の高い場所にメッセージカードを配置し、もしこの現場で蘇生に成功し、なおかつNDEを報告する患者がいた場合、肉体を離れた意識がこのカードのメッセージを見たかどうか、もし見たのならば何と書かれていたのかを質問することを定めた。しかし今のところこのメッセージを見たという報告はない。
しかしこの一方で、NDEが完全に生理学的に説明ができるという科学的な研究も進んでいる。米・カリフォルニア工科大学の神経学者クリストフ・コッホ教授は、この6月に「Scientific American」に寄稿した記事で、NDEが心身のつながりを科学的に研究する格好の機会であるとして、これまでの知見を要約して紹介している。
この科学的な仮説は、NDEで死の淵をさまよい酸素レベルが低下する一方で、二酸化炭素レベルが上昇すると脳活動に変化か訪れるというものである。前出の「暗いトンネルを抜けて眩い光を見る」というNDEのワンシーンだが、眼球の網膜に供給される酸素レベルが低下することで周辺からゆっくり酸欠が始まり、徐々に中心に向かうことでトンネル的なビジョンを生成すると説明できるという。
そして意識の体外離脱はたとえほんのわずかであっても、脳の特定の部分を刺激することによってシミュレートできるということだ。飛行中に高レベルのGによって気絶(ブラックアウト)した後、体外離脱体験をした宇宙飛行士の報告もある。また完全に真っ暗の部屋の中で塩分濃度の高い水で満たされたプールに浸かって浮いていると、身体感覚にズレが生じてくるという研究結果もある。
こうした科学的な研究があるにもかかわらず、意識が肉体から離脱するという見解はまだ明確には除外されてはいない。前出のパーニア教授のテストも該当する患者はまだまだ極少数である。依然として謎の多いNDEについて今後画期的な知見がもたらされることを期待したい。
参考:「The Irish Times」、「Scientific American」、ほか
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