【衝撃】50人に1人は「魚のニオイがわからない」と判明! “バラの香り”に感じられ… 遺伝子に突然変異!(最新研究)

 分析の結果、研究チームはゲノムと嗅覚能力の組み合わせにいくつかのパターンがあることを見いだした。

 例えば略してTAAR5(trace amine-associated receptor 5)と呼ばれる嗅覚受容体遺伝子は、腐った魚と発酵した魚の両方に見られる化合物であるトリメチルアミンのにおいを検知するのだが、この遺伝子の特定の変異体を持つ人々は通常は魚のにおいがわからない。強いて何かのにおいであるのかと問えば「バラ」や「キャラメル」、「ジャガイモ」のようなにおいであると説明するという。そしてこの症状をもつ者はアイスランド人の50人に1人はいることが示されたのである。

「変異遺伝子のキャリアは、魚のにおいに弱く、不快感が少なく、正確に嗅ぎ分ける可能性が低いと思われます」(ローザ・ギスラドッティル氏)

 魚の生臭さや腐臭は人間を含む生物にとって悪臭であると考えられているが、こうしたにおいを感じない者が少ないながらも一定数いるというのは興味深い。

【衝撃】50人に1人は「魚のニオイがわからない」と判明! バラの香りに感じられ… 遺伝子に突然変異!(最新研究)の画像3
「Daily Mail」の記事より

■リコリスやシナモンに敏感な人々も

 このほかにも研究チームは興味深い発見をしている。

 リコリス、アニス、フェンネル(ウイキョウ)などの甘草の芳香族化合物はアネトール (anethole) と呼ばれるものだが、このアネトールの嗅覚受容体遺伝子に変異が見られる人々も一定数存在している。

 このアネトールに関係する嗅覚受容体遺伝子が変異している者は、においテストにおいて甘草の香りをより強く感じ、より心地よさを感じ、より正確に嗅ぎ分けられるということだ。

「変異遺伝子のキャリアは、甘草のにおいがより強く、より心地よく、より正確に判別することができます。興味深いことに、この変異はヨーロッパよりも東アジアではるかに一般的です」(ローザ・ギスラドッティル氏)

 さらにシナモンの香りに敏感かつ鋭敏な人々もいる。

 シンナムアルデヒドはシナモンの香りの原因物質であるが、このシンナムアルデヒドに対応する嗅覚受容体遺伝子に変異がある人々は、やはりシナモンの香りに敏感で、香りをより楽しんでいることが明らかになったのだ。

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