金玉癌の意外な病名は「煙突掃除人の癌」だった! 金玉の表面に発癌物質が集中していることが発見され…

■“幻のノーベル賞”は誹謗中傷だった

 1780年代になるとコールタールを始めとする発癌物質の存在は医学界で認知されているのですが、日本では山極勝三郎がコールタールをウサギに塗り続けて人工的にガンを作った功績が“幻のノーベル賞”と言われ続けているせいで、1916年になって初めて発見されたかのような誤解が広まっています。

山極勝三郎。画像は「Wikipedia」より引用


 さらに、寄生虫がガンの原因であることを発見したヨハネス・フィビゲルは間違った発見でノーベル賞を受賞したと言われていますが、これはノーベル賞を貰えなかった日本人の誹謗中傷です。

 IARC発がん性リスク一覧の「グループ1:ヒトに対して発癌性である」の中に「タイ肝吸虫の慢性感染」や「ビルハルツ住血吸虫への感染」が入っているように、寄生虫がガンの原因であることは事実です。

 むしろ、日本人がノーベル賞を貰えなかった逆恨みから寄生虫でガンになるのは間違いだって、間違った知識が広まってしまいました。

 ノーベル賞の審査内容は受賞の50年後に公表されます、山極勝三郎がノーベル賞にノミネートされながらダメだった理由は、コールタールを塗ると癌になることは100年前から言われ続けていた、当時すでに確立された医学的事実だったからです。単純作業の繰り返しで一般的に知られていた事実を確認した実験結果よりも、寄生虫が癌の原因である新事実を発見したヨハネス・フィビゲルの方がノーベル賞に相応しいと結論が出たからです。

 日本では逆恨みで「お前が受賞したのはノーベル賞の審査員だったフォルケ・ヘンシェンと友達だったからだろ」とまで誹謗中傷される惨状になってますけど、あんまり日本人のノーベル賞不正アピールが酷すぎて欧米でも信じちゃう人が続出したので、反証も出ていますが負け気味です。

 毎年ノーベル賞逃してる作家じゃないんだから、いい加減に止めてあげてください。

参考:「Wikipedia」「An Analysis of a Wrong Nobel Prize—Johannes Fibiger, 1926: A Study in the Nobel Archives.」ほか

文=亜留間次郎

薬理凶室の怪人アルマジロ男。人間の皮を被った血統書付きアルマジロ。守備範囲は医学から工学、ノーマルからアブノーマルまで幅広く、アリエナイ理科ノ大事典など、くられ氏と共に薬理凶室関連の共著多数。単著に『アリエナイ理科式世界征服マニュアル』(三才ブックス)がある。よくわからないケダモノなのでよくわからないネタで攻めていきます。

公式サイト http://asai-laboratory.sakura.ne.jp/
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