アフリカの呪術用の彫像もズラーッ! 愛知県「野外民族博物館 リトルワールド」はトカナーが絶対に行くべき場所!村田らむ取材


 北アメリカのナバホの家(いわゆるインディアンの家)を横目で見つつ先に進む。敷地が広い分、建物と建物の距離が結構離れているのだ。こりゃゆっくり見てると時間が全然足りないぞ、と思う。


 16世紀末のペルーの大農園領主の家に到着した。ひょっとしたら足を運んだハロウィンの時期のみの特別展示なのかもしれないが、明るい花の中に、骸骨をモチーフとしたオブジェがたくさん展示してあった。ペルーの一見明るいが、その裏にある血なまぐさい歴史を表しているようでドキッとする。

 壁にはキリスト教徒たちがペルーの先住民に行った残酷な行為が描かれていた。


 建物内はかなり立派な建物だったが、特に教会が素晴らしかった。家の中に教会があるというのがそもそもすごい。


 キリストのたどった道のりが、極彩色のテンペラ画で描かれいたるところに飾られているのがとても迫力がある。

 祭壇の真ん中に祀られているのは、十字架にかけられたキリストではなく、聖母マリアと幼子イエスがいる祭壇なのも特徴だった。どうやら、裏に磔刑のキリストの像があるようだったのだが、見逃してしまって心残りだ。


 個人的には一番心に残った建物だった。

 バリ島ゾーンに入る。ドラゴンボールの天下一武道会の会場にあったレリーフのような彫刻が施されている。こんな石像を全部解体して、船に載せて日本に運び再建するのは、ものすごい労力だっただろう。名古屋鉄道が出資したらしいけど、なかなか気合が入っている。資料を読むと、古民家の改築、移転には想像以上の時間がかかり、15年もかかったという。


「日本で見なくたって、海外に行けばいいじゃん」

 という意見もあったと思うが、コロナな世の中になってしまったらそうそう海外なんか行けなくなった。リトルワールドで海外気分を楽しむ人も増えるかもしれない。


 インドネシアのスマトラ島北部の水稲耕作民トバ・バタックの家に着く。いかにも民族的な家で、ずいぶん古い家なんだろうな〜と思ったら1947年に建てられたものらしい。思ったより最近だった。

 壁には民族的な壁画が描かれていて、とてもかっこいい。神様とか描かれているのかな? と思ってみるとたしかにそのような感じの絵もあるが、一番左の壁画は自動車や飛行機のような絵が描かれているように見えた。民族的な建物に、飛行機の絵が描かれているというのがなんとも不思議だった。


 説明書きを見てみると

『戦争 連合国側のオランダ軍が、飛来した日本軍の戦闘機を高射砲で撃ち落としている様子。』

 と書かれていた。めっちゃ嫌われてるな、大日本帝国。んでそんなに嫌われてるのに、よく買い付けできたな〜と感心した。

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