アフリカの呪術用の彫像もズラーッ! 愛知県「野外民族博物館 リトルワールド」はトカナーが絶対に行くべき場所!村田らむ取材

 ネパールの観音を称えるマニ垣を通り、回しただけでお経を唱えたことになるマニ輪をくるくると回す。

 そしてネパールの仏教寺院に入る。チベット仏教の寺院をモデルにしているそうだ。


 壁には六道輪廻の図などが描かれていて、とても良い。チベットの仏教は大乗仏教だ。釈迦だけじゃなく、阿彌陀佛や、千手千眼観世音菩薩なども描かれている。恐ろしい姿のヒンドゥーの神様も描かれているのも良い。


 とても眼福な施設だった。

 インドの池には蓮の花が咲き、象が鼻を持ち上げる、とてもあたたかい風景だが、実際には寒いので頭がやや混乱する。

 いよいよ時間がなくなってきた、トルコ、タイ、韓国を駆け足で見てやっと一周回ってスタートラインに戻ってきた。

 この時点で閉館30分前だった。

「駆け足ながら、全部見れて良かった」

 と安心したが、ハッと気がつく。

 今まで見てきたのは、屋外展示であり、屋内には巨大な博物館があるのだ。

「30分では無理だ!!」

 と思いながらも、入館した。

 人類の進化からはじまって、気が遠くなる。ゆっくり見れば1日潰せるであろう展示の前をブワーッと通り過ぎていく。

 ほとんど見られなかったが、しかし最後の空間はものすごかった。

 世界各地の宗教、儀礼を紹介している展示室で、アフリカの呪術にもちいる彫像がズラーッと並んでいたり、韓国の仮面、ボリビアのカーニバル、南アメリカのキリスト教の彫像など、興味深い造形物が山程展示されていた。とても、トカナ的である!!

 できればここに半日ほどこもっていたいという気持ちだったが、あえなくタイムアップになってしまった。

 オープンと同時に訪れていても、全部しっかりと見たら時間が足りないくらい、充実した展示物だった。また、時間を作ってゆっくりと見学したい!! と切に思った。

文=村田らむ

ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)、『樹海考』(晶文社)、『ホームレス消滅』(幻冬舎新書)など。

Twitter:@rumrumrumrum

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