ブラックホールからエネルギーを取り出す方法判明! 負のエネルギーを使って…リアル『インターステラー』に!
「ブラックホールは通常、磁場を運ぶプラズマ粒子の熱い“スープ”に囲まれています」とコミッソ氏は「Columbia News」の取材で語る。
回転するブラックホールのエルゴ球では、磁力線は絶えず断絶と再接続を高速で繰り返している。研究者たちは、これらの線が再接続すると、プラズマ粒子が2つの異なる方向に放出されると理論づけた。粒子の1つの流れが、回転するブラックホールの方向に向かって飛び出し、最終的にブラックホールに飲み込まれる。しかし、もう一方の流れは反対方向にスピンアウトし、ブラックホールの引力から逃れるのに十分な速度を得る可能性があるのだ。
研究者たちは、磁力線の断絶と再接続が負のエネルギー粒子を生成する可能性があることを主張している。そしてこの負のエネルギー粒子がブラックホールに飲み込まれると、理論的には正の粒子が指数関数的に急増する。
「マイナスカロリーのキャンディーを食べると体重が減るようなものです」とコミッソ氏はわかりやすく説明する。
もし本当の意味での“やせ薬”や“減量食品”があるとすれば、それはすなわち“ネガティブエネルギー”である。ネガティブエネルギーを取り込めば、そのぶんのポジティブなエネルギーが体外に排出される。その排出されたエネルギーを拝借して活用するのが、ブラックホールをエネルギー供給源にするメカニズムだ。
実は映画『インターステラー』(2014年)でこれに近いケースが描かれているという。深宇宙ミッションでの燃料不足に直面した宇宙船が、ブラックホールのエルゴ球に入り、宇宙船の一部を捨てて、そのぶん大量のエネルギーを伴ってブラックホールから“弾き出される”ことによって最後の推進力を得ているのだ。
「今から数千年または数百万年後、人類は恒星からのエネルギーを利用せずにブラックホールの周りで生き残ることができるかもしれません。それは本質的に技術的な問題です。私たちの物理学においてそれを妨げるものは何もありません」(コミッソ氏)
人類の深宇宙探査はまだだいぶ先のことにはなるが、エネルギー供給源としてブラックホールを活用できるのだとすれば随分と心強いものになるだろう。着々と進む人類の宇宙開発に明るい話題がもたらされたようだ。
参考:「Big Think」、「Columbia News」ほか
文=仲田しんじ
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