人類滅亡後の地球を支配するのはタコだった! 自ら遺伝子編集して進化、宇宙進出も可能に!

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「The Conversation」の記事より

■なぜ彼らはとてもゆっくり進化するのか

 ほかの生物種と比較して、タコは実にゆっくりと進化している。タコは約300種あり、少なくとも3億年前から生息しているが今とあまり変わっていない。

 生物の進化は膨大な時間をかけてDNAのコードを徐々に変えていくことで成される。

 驚くべきことにタコはRNAを編集する独自の能力を備えている。RNAを編集できるということは、多くの生物がたどる標準的な進化プロセスであるDNAの長期的な変化を必要とせず、新しい問題にすばやく適応できるということだ。

 科学者たちは環境に適応するこの例外的なアプローチこそが、タコの進化が非常に遅い理由であり、その一方でタコが海で最も頭のいい生物の1つである理由であるかもしれないと指摘している。

 こうした特徴から、タコが地球の支配者になるためのまず第1の課題は、長生きすることである。そして第2は人間のように他の存在から学ぶことによって「累積的な文化」を発展させることだ。タコがほかのタコを見ることで学ぶことができることは知られているが、タコたちの文化的コミュニティが存在する証拠はまだない。タコが我々のライバルになるにはそれ相応の時間が必要であるようだ。

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「The Conversation」の記事より

■タコは宇宙に適応できるかもしれない

 陸上で進化し続けるタコを想像するのは難しい。タコにはくちばし以外に固い部分はなく、重力に逆らって身体を支える骨もない。陸上で動くことができでも、それは彼らにとって相当の苦役である。

 彼らは水中で呼吸するためのエラを持っているが、不思議なことに皮膚を使って呼吸することもできる。特に休息している時は、必要な酸素の約40%はエラではなく、皮膚に当たる水から供給している。当然だが皮膚呼吸をするには皮膚が濡れていなければならないのだ。

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「The Conversation」の記事より

 彼らは基本的に水中に住んでいて、浮いたり沈んだりしない中性浮力があるので、重力の影響をほとんど受けていない。重力のない宇宙空間と同じであり、水を持って行くことができれば、宇宙にもかなり適応できることを意味している。

 タコは非常に知的な動物であり、海洋で最も賢い生き物の1つであるが、彼らの短い寿命と陸上での脆弱性は、人類に代わってこの世界を引き継ぐ上での深刻なハンディキャップであることは間違いない。人類社会にも問題は山積しているが、タコにも彼らなりの克服すべき課題があるようだ。

参考:「The Conversation」、ほか


文=仲田しんじ

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