「偽の記憶を刷り込む超簡単な方法」最新研究で判明! 消去も自在、司法の世界に深刻すぎる影響!

 日常的に使っているパスワードや暗証番号を間違えることはまずないが、過去の体験の“記憶違い”ならたまには起こり得る。最新の研究では案外簡単に“偽の記憶”が植え付けられてしまうというからなんとも不気味な話だ。

■“偽の記憶”は簡単に植え込むことができる

 家族が集まった時など、昔の家族旅行の話が交わされることもあるだろう。子どもの頃の家族旅行の思い出は、多くの場合はあまりはっきり覚えていなかったりするものだが、その時のエピソードやハプニングなどを親から何度も聞かされたりすることも珍しくない。

 話を聞くたびにそれは事実として頭の中に刷り込まれていくが、もしその話が親の“記憶違い”だったらどうなるのか。悪意はなくともそれは事実上、偽の記憶を刷り込まれたということになる。

 そして最新の研究では、こうした“偽の記憶”はこれまで考えられていたよりも容易に我々の頭の中に植え付けられることが報告されている。この研究結果は司法の世界に深刻な影響を及ぼすという。

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「GreatGameIndia」の記事より

 英ポーツマス大学、独ヨハネスグーテンベルク大学マインツ校、ハーゲン大学、ライプニッツ知識メディア研究所の合同研究チームが2021年3月に「PNAS」で発表した研究では、実験を通じて人々の心に誤った記憶を植え込み、さらにその記憶を消すことに成功したと報告している。

 52人のボランティアが参加した実験では、研究者たちは子どもの頃の思い出話を集め、各人の話を“編集”した新たなストーリーを用意した。具体的には一連の思い出話の中で実際に起こった事実の出来事が2つと、いかにもあり得そうだが実際には起こっていない“偽の記憶”を2つ組み合わせた話を作成したのである。

 そしてこの加工編集された思い出を参加者の両親たちが事あるごとに語り伝えて“偽の記憶”を刷り込むプロセスが一定期間繰り返された。

 この期間中に参加者には3回のインタビューが行われたのだが、ほとんどの参加者は“偽の記憶”を実際に起きたことだと信じていることが明らかになったのだ。加えて参加者の40%はその“偽の記憶”に枝葉をつけて話を発展させていたのである。

 親から聞かされる子どもの頃の出来事は、それが親の“記憶違い”であったとしてもいとも簡単に実際に起こった出来事として子どもに植え込むことができることになる。そしてもちろん、大人になってからであっても条件さえ揃えば“偽の記憶”を刷り込むことができる可能性は大いにあるのだ。

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画像は「Unsplash」より

■“偽の記憶”は後から取り除くことができる

 こうして我々は“偽の記憶”を考えられていた以上に容易に信じ込んでしまうことが明らかになったのだが、その後に研究チームは2つの戦略を使用して、誤った記憶を元に戻そうと試みた。

 1つ目の戦略は、思い出が必ずしもその個人の経験に基づいているとは限らず、写真や家族の物語などの他の情報源にも基づいている可能性があることを参加者に丁寧に知らせることであった。インタビュ―で参加者は、思い出話の4つのイベントのそれぞれのソースについてもう一度よく考えてみるよう再考を促されたのだ。

 2番目の戦略は、何かを繰り返し思い出すように求められると、誤った記憶を引き出す可能性があることが参加者に念入りに説明された。彼らはこれを念頭に置いて思い出話の中の出来事を検証するように求められた。

「参加者の虚偽記憶の可能性に対する意識を高め、彼らの記憶を批判的に反省するよう促し、彼ら自身の視点への信頼を強化することにより、彼らの虚偽記憶を大幅に減らすことができました。そして、さらに重要なことに、これは本当の出来事を覚える彼らの能力に影響を与えませんでした」(研究チーム)

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