死刑執行を無限に回避して死なない男! 18回の注射でも死なず、重なる偶然… 想像を超えた現在の状態とは!?

 死刑執行を、まさにその時になって免れた人間などいないと見るのが妥当だろう。だが、なんとこの世には、18回も死刑執行に失敗して生き延びたという男がいるのだ――。


■18回の薬殺注射がすべて失敗

 殺しても死なない、死にきれない。“される側”はもちろん“する側”にとってもこれほどツライこともないだろう。死刑執行チームは、ロメル・ブルームに何度も薬物が入った注射針を打ったが、テーブルに横たわる死刑囚は、痛みにむせび泣くだけで死んでくれない。凄まじい状況だった。

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ロメル・ブルーム 「Equal Justice Initiative」の記事より

 1984年、ロメル・ブルームは帰宅途中の少女トライナ・ミドルトンさん(当時14歳)を誘拐し、レイプ、殺害した罪で有罪判決を受け、オハイオ州の死刑囚監房で24年間過ごしていた。ブルームは無実を主張して、2003年にはDNA鑑定まで行ったのだが、結果は容疑を晴らすことができずに終わった。そして、彼の薬物注射による死刑執行日が、2009年9月15日に決まった。

 厳粛な空気の中、死刑執行人は臭化パンクロニウムと塩化カリウム、ミダゾラムを混合した致死量の注射を打つために、ブルームの腕に静脈を探し始めた。が、無い! どこを探しても、点滴に適した静脈が見つからないのだ。

 最初の数回が失敗に終わったため、今度はブルームを横向きにしてゴムチューブを左腕に巻き、とにかく静脈を探し当てるため、手をグーパーグーパーさせながら腕を大きく上下運動させることに。これでどうだ!

 とうとう見つけた静脈に、まず生理食塩水を注入しようとしたところ、今度は静脈がつぶれてしまった。この段階になると、極度に張り詰めていたブルームは、もうこれ以上は無理と、肉体的にも精神的にも耐えられなくなり号泣した。

 だが、仕事を終わらせたい死刑執行チームは、別のプランを思いついた。ブルームをテーブルの上に正座させ、彼の脚にシャントを挿入しようというのだ。しかし、さらに痛みが増してしまい、これも失敗。また、静脈ではなく骨に当たってしまったりもした。

 処置を開始してから2時間後、チームは苛立ちを隠せないまま処刑を中止。すでにブルームの皮膚には18回も針を刺したことになる。

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「Equal Justice Initiative」の記事より

 この異常な薬殺刑について、ブルームの弁護士らは「2回の死刑執行に処されることは、『人を2度にわたって生命の危険にさらすことを禁止する憲法』に違反する」と主張して、州の権限に異議を唱えたため、オハイオ州知事は1週間の執行猶予を与えることに。結局、死刑執行は延期されたが、これは米国で1946年以来のことだという。執行は暫定的に無期限延期となった。

■再び死刑の期日が設定されたのだが…

 ところが、2016年3月16日になると、オハイオ州最高裁は、州にブルームの2回目の死刑執行を認めるという判決を下した。理由は「生理食塩水注入までは死刑執行の『予備的なステップ』に過ぎず、死刑執行自体は致死量の薬剤が静脈内に注入された時点で開始されるため、死刑執行の失敗とはならない」というもの。

 ブルームの2回目の死刑執行は、当初2020年6月17日に予定されていたが、死刑執行用の薬剤が品薄で、再延期。最終的には2022年3月16日に再々設定された。ところが、不運はどこまでも続き、アメリカで猛威を奮う新型コロナウイルス感染症により、劣悪な衛生状態の刑務所に置かれていた死刑囚は2020年12月28日、この世を去ってしまった。享年64。

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「Daily Star」の記事より

 死刑執行を何度も引き伸ばされた揚げ句、流行り病であっけなく命を落とすとは、あまりに皮肉な運命のめぐり合わせではないか。合掌。


参考:「Daily Star」、「Equal Justice Initiative」、ほか

文=佐藤Kay

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