【身体拡張】自在に動かせる「第3の親指」爆誕! 指が1本増えるだけで凄いことに… 脳に劇的変化も!
両手に1本ずつしかない親指だが、サイエンスの世界から“第3の親指”が提案されている。我々の脳は、この“第3の親指”を使いこなせる能力が十分にあるというのだ。
■自由自在に動かせる“第3の親指”
手の指がもう1本あったらと想像してみると、けっこう愉快なことかもしれない。キーボートの入力は片手で済むようになるかもしれないし、財布からお札や小銭を取り出すのも片手で素早くできるかもしれない。
そんな夢想がサイエンスによって実現しそうだ。自由自在に動かせる“第3の親指”が開発されたのである。そしてこの“第3の親指”はトレーニングによって自分の身体の一部にすることができるというのだ。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームによって開発された“第3の親指”は、実際の親指の反対側、小指の近くに装着する。これによって手に対称性を持たせることになるのだ。
では、いったいどうやってこの“第3の親指”を動かすのか? この親指は足のつま先の下にある圧力センサーを使用してワイヤレスで制御されるシステムになっている。つまり、足の指で手の“第3の親指”を動かすのだ。
この“第3の親指”を装着したボランティアは短時間のトレーニングによって、片手で積み木の塔を作ったり、片手でペットボトルのドリンクを持ってキャップを開けたり、コーヒーカップを持ったままスプーンで砂糖をかき混ぜるなどの器用な作業ができるようになった。
さらに参加者は数学の問題を解きながら片手で木製のブロックタワーを作ったり、または目隠しをしている時にも“第3の親指”を使うことさえできるようになったのだ。
■脳活動に「微妙ではあるが重要な変化」が発見される
余分な親指が人々の脳にどのように影響したかを理解するために、研究チームは実験の前後にfMRIで参加者の脳活動をスキャンした。
「テクノロジーは進歩していますが、私たちの脳がそれに対処できるかどうかについては誰も話していません」と研究チームのパウリナ・キエリバ氏は語る。
収集したfMRIのデータを分析した結果、“第3の親指”を装着した手による脳の感覚運動皮質において「微妙ではあるが有意な変化」が見られた。
「(親指を)装着したグループでは、右手の個々の指の表現が互いに崩壊しました」とキエリバ氏は説明する。つまり脳は各指を実験前よりも互いに類似しているものとして認識したのだ。 “第3の親指”を装着することで、ほかの指の動きの特色が失われたのである。しかし1週間後、参加者のうち12人が3回目の脳スキャンを行ったところ、この脳の変化の影響が薄れはじめていることもわかった。
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