宇宙開発史のタブー、記録から完全抹消された「幽霊宇宙飛行士」とは!? 軌道から外れ、宇宙船ごと見捨てられ… 犠牲者は膨大な数か!?
今年、2021年はウルトラマン生誕55周年という記念すべき年にあたる。ウルトラ・シリーズは「最も派生テレビシリーズが作られたテレビ番組」としてギネスブックにも登録されており、今なお記録を更新中という、日本が世界に誇るコンテンツである。
初代の本放送が行われていた1966年の日曜夜7時といえば、全国の子供たちはどんなに楽しい遊びをしていようとそれまでに帰宅し、テレビにかじりついた魔法の時間であった。キャラの立った科学特捜隊隊員のメンバー5人と、これまた個性豊かな怪獣達がおりなす、シリアスながらも時にコミカルな表現を交えたドラマは毎回目先を変え、およそ見飽きるということがなかった。
シリアスさでシリーズ1、2を争うエピソード「故郷は地球」は12月18日に放映されたが、子供向けとしてはかなり重く、深いテーマであった。
この回に登場したジャミラという怪獣の正体は、宇宙開発競争の時代に某国が打ち上げた有人衛星に搭乗していた宇宙飛行士である。彼の衛星は軌道を外れ、水のない苛酷な環境の惑星に流れ着いた結果、怪獣へと変貌して自分を見捨てた地球に復讐しに現れたのだった。ジャミラの断末魔や悲しい唸りは人間の泣き声にも似て、今でも脳裏に焼き付いてトラウマになっている人もいるかもしれない。
だが、このジャミラのような扱いを受けた宇宙飛行士が本当にいたとしたら、皆さんはどう思われるだろうか。
■闇に葬られた宇宙飛行士たち
今年は旧ソ連のユーリー・ガガーリンが人類初の宇宙飛行を行ってから60年に当たる年でもあるが、旧ソ連時代の宇宙開発には、ガガーリンより前、そしてそれ以後にも、搭乗した有人衛星が軌道から外れて宇宙の彼方に消え去ってしまい、公式の記録からも抹殺された、いわゆる幽霊宇宙飛行士が何人もいるという暗い噂がつきまとっているのだ。
この幽霊宇宙飛行士の話は、単なる都市伝説にしてはかなり具体的な情報が、それも数多く寄せられている。「ユーホロジストクラブ」を主宰する古参のUFO研究家・平野泰敏は、かつてこの情報を集めて『幽霊宇宙船』としてまとめたことがあるが、彼が収集した情報以外にも幽霊宇宙飛行士についてはいくつも報告がある。
最初の報告は、1957年11月7日のものだ。
この年の10月4日、ソ連は世界初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功、当時宇宙開発をソ連と競っていたアメリカに大きな衝撃を与えた。いわゆるスプートニク・ショックである。そこで西側諸国は引き続きソ連の宇宙開発をモニターすべく、宇宙からの電波を観測する衛星追跡センターを各地に設立、ソ連の次の動きを見守っていた。
11月3日には、ソ連は「ライカ」という名の犬を乗せたスプートニク2号を打ち上げたが、その4日後の11月7日、世界各地の人工衛星追跡ステーションがスプートニク1号、2号とほぼ同じ波長を発する電波をキャッチしたのだ。ソ連当局からは何の発表もなかったため、衛星打ち上げが失敗したものと推測された。
このときの衛星に宇宙飛行士が搭乗していたかどうかは不明であるが、1959年12月になると、ソ連の衛星国チェコの高官から、打ち上げに失敗して軌道を外れた有人宇宙船の飛行士に関する、かなり具体的な情報がもたらされた。この情報には幽霊宇宙飛行士としてアレクセイ・レドコフスキー、アンドレイ・ミトコフ、セルゲイ・シボーリン、マリア・グロモヴァという個人名まで含まれていた。
1960年には、アメリカの有名なSF作家ロバート・ハインラインが、リトアニアを旅行中に奇妙な体験をした。この年の5月15日、リトアニアのヴィリニュスにいたハインラインは赤軍の将校と仲良くなり、ソ連がこの日に有人衛星を軌道に打ち上げたと聞かされた。ところが同じ日のうちに、この将校は衛星打ち上げを否定したのだ。ハインラインは、一旦衛星を打ち上げたものの、何か事故が起きて事実を隠蔽しようとしたのではないかと推定している。
同じ1960年の9月27日になると、一層奇妙な事件が起きた。トルコ、スウェーデン、イギリス、そしてイタリアにある衛星追跡ステーションが、黒海付近のカプスティン・ヤール基地が宇宙と交信するのを確認したのだ。しかも、この宇宙船側から何か暗号めいた単語のような人の声が次々に発せられ、地上局と思われるところから同様な単語を用いた返事が応答されていたのだ。この交信はその後すぐに途絶えたが、ソ連当局からは何の発表もなかった。
さらに11月28日、イタリアのトリノにある衛星追跡ステーションやアメリカのテキサス州にあるアマチュア無線局、西ドイツのボッフム電波天文台がキャッチした信号はさらに深刻だった。このときは午前1時43分、午前2時55分、そして午前3時少しすぎの三回にわたり、ソ連の衛星からと思われるモールス信号や音声が受信されたのだ。モールス信号は「SOS、全世界へ、SOS、全世界へ…」と連打しており、最後にロシア語で「苦しい、助けてくれ」と叫ぶ声を最後に通信は途絶えた。
さすがにソ連当局も隠し通せないと観念したのか、無人衛星の打ち上げが行われたが失敗したと発表したものの、人間が搭乗していたとは決して認めなかった。
■人類初の偉業の裏にも不可解な事実
そして翌1961年4月12日、ユーリー・ガガーリンが有人衛星ボストーク1号に搭乗し、人類初の宇宙飛行に成功した。だが、このときの報道を確認すると、いくつか奇妙な点に気づく。
実は、ソ連の国内ではすでに打ち上げの2日前、4月10日に、有人宇宙船を打ち上げたという噂が広まっていたのだ。しかし、当局からは何の発表もなく、11日になるとこれは単なる噂に過ぎないとも考えられた。ところが12日になって突然ソ連は、ガガーリン少佐の飛行を発表した。この経緯を見ると、前述のハインラインの話にも何らかの根拠があったのではないかと思いたくなる。しかも、ソ連当局が発表したのは、実際の打ち上げから1時間後、つまり衛星が軌道に乗ったのを確認してからのことである。さらに飛行中、ガガーリンは二階級特進して中尉から少佐に昇進しているが、この背景には、ガガーリンが生還できる可能性は低いと政府高官が考えていたことがあるとも言われている。つまり、もしガガーリンの飛行が失敗していれば、彼自身も幽霊宇宙飛行士のひとりとして歴史の闇に葬られていた可能性があるのだ。
ガガーリン以後も、他国の衛星追跡ステーションがソ連領内からの宇宙船打ち上げを確認し、しかも機内から発した音声をキャッチしながら、ソ連政府からは何の発表もないという事案がいくつも報告されている。1961年に限っても、9月30日にはバイコヌール基地と交信する有人宇宙船の肉声がキャッチされ、男女1名ずつ搭乗していることが確認された。10月14日にもイタリアのトリノにあるステーションが男女の会話をキャッチしている。
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