【実録】某国立大学・医学部生が語る「科学では説明できない」現象! 祖母の祈願、母の能力、沖縄ガマでの恐怖!

――他のご家族はどうでしょうか?

Sさん:父親は本当に普通の人です。あと妹がいるんですが、彼女にはそんな能力があるようには思えません。一度だけ、妹が自分たちに目に見えない友人を紹介してきたことがあるんです。いわゆる「イマジナリー・フレンド」です。ただし母親にもぼくにも何の姿も見えていなかったので、何か霊がいたわけではなく、本当に空想の産物だったのだと思います。

――何か危険な目に遭ったことは?

Sさん:一度、沖縄でガマに入ったことがあるんです。すぐに気分が悪くなって耐えられなくなりました。あのような悲惨な過去を持つ場所に行くのは、ぼくには人一倍辛かったです。友人のために沖縄を観光案内したこともあるんですが、ガマにはあれ以来一切近づいていません。

 あとは時折、踏切などを通過して、ふと嫌な空気や雰囲気を感じることがあります。あぁ、たぶん、ここで誰か死んだのだろうなって理屈でなくてわかってしまう。

 とはいえ、「霊能力がある」と言ってもその程度のことです。子どものころから、よく「何かが目の前を横切る」「黒い影を見る」くらいで、それ以外のことはないんです。仏教系の高校出身ですから、高校生のころから大乗仏教に共感を持っていますし、とくに浄土教に私淑しています。そういうことも関係しているのかもしれません。

 正直にいえば、医学部に所属している理系なので「科学で全てを説明できる」と思っていた時期もありますよ。でも、現在はそんなこと思いません。母の言葉の受け売りですが「たしかに科学は暗闇にいた人類を照らす一条の光だが、それによって全てを理解できると思うことこそ傲慢ではないか」と、心底思いますね。科学では理解できないもの、把握できないものは、事実としても経験としても存在していると言わざるを得ません。

ーーありがとうございました。

 取材に応じてくれた若者Sさんは優し気な好青年であるが、国立大学医学部に所属し、来年からは研究職になるバリバリの理系エリートである。そんな彼は「人ならざる何か」の世界を日常として受け入れ、生活している。果たして、それらは一体何なのだろうか。あまりに当然、普通のこととして、それを語る彼と我々の日常は何一つ変わらない。

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文=神ノ國ヲ

学術論文からオカルト記事まで。
京都大学の博士課程に所属中。
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