【念力と量子もつれ】 全集中すると量子に影響…テレパシー解明に前進:ディーン・ラディン博士論文

 家族や恋人に何か異変が起きた時はどんなに遠く離れた場所にいても“虫の知らせ”があるともいわれている。また離れた場所にいる相手が今何を考えているのかわかったという“テレパシー”体験を語る人も少なくない。こうした現象の背後には何が起こっているのか。実はそこには“量子もつれ”が関係していることが最新の研究で示唆されている。

■ラディン氏「私たち自身が測定の結果を作り出している」

 固い絆で結ばれた2人ならいくら遠く離れていても一心同体であると考えるのはなかなかロマンがあるともいえるのだが、そんな夢見がちな話で片づけてしまってもよいものなのか。

 時空を超えて考えを共有する“テレパシー”は現実に起こり得る現象なのか。最新の研究でこのテレパシーは量子論的現象と奸計があることが示唆されている。人間が意識を集中させることで、「量子もつれ」の結びつきが強まることが実験で確認されたのである。

 超心理学研究の第一人者の1人であるディーン・ラディン氏はサイコキネシスやテレパシーなどの現象は現実に存在することを主張し、これまでにも各種の実験で意思の力が物質世界に影響を与える“偏向”があることを示している。

「観察は何かを測定するだけでなく、観測するものを生み出します。私たちは電子が明確な位置をとるように強制し、私たち自身が測定の結果を作り出しているのです」(ディーン・ラディン氏)

 先日発表されたラディン氏の新たな研究では、人間の念力が「量子もつれ」に及ぼす影響を検証していて興味深い。テレパシーのメカニズムを解明する糸口になるかもしれない実験結果が得られたのである。

「The Society For Scientific Exploration and The Parapsychological Association」より

 量子論の摩訶不思議なメカニズムの1つに「量子もつれ(quantum entanglement)」がある。 ペアを組んで量子もつれにある状態の2つの量子は、物理的にどんなに距離を隔てても“一心同体”なのだ。

 有名な「シュレーディンガーの猫」は箱の中で生きてもいれば死んでもいるという量子論的な「重ね合わせ」の状態にあり、“観測”することで猫の生死が“決定”されると理解されている。

 そして「量子もつれ」の状態にある2つの粒子、粒子Aと粒子Bのスピンの状態が「Aが上向き・Bが下向き」と「Aが下向き・Bが上向き」の重ね合わせ状態にある場合、粒子Aを観測して、Aが下向きであることが確定されたら、Bは観測するまでもなく上向きに確定されるのだ。この現象は粒子AとBがどんなに離れていても生じるのである。

 今回のラディン氏の実験ではまず光学レーザー装置を使って人工的に量子もつれの状態にある光子のペアを生成した。

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