音楽を聴くと「創造性が著しく損なわれる」ことが判明! 特に危険なジャンルは…!(最新研究)
※ こちらの記事は2019年6月30日の記事を再掲しています。
仕事や勉強でもう一踏ん張りしたいという時に、景気づけに音楽を流すという習慣を持つ向きも少なくないだろう。何か考え事に集中したい時にはイヤホンで音楽を聴くという人もいるかもしれない。しかし驚くなかれ、最新の研究では音楽を聴いている間はクリエイティビティが著しく損なわれていることが報告されている。
■音楽がクリエイティビティを低下させる?
気分を高めてくれたり、心を落ち着かせてくれたりと“音楽の力”は計り知れない。音楽を用いて心身の健康増進をめざす「音楽療法」も一部から注目されている。
クリエイティブな作業の際にもBGMとしての音楽が好影響を及ぼすと長らく一部で信じられてきた経緯があるのだが、意外なことに最新の研究ではこれに異議を唱えている。音楽はクリエイティビティを低下させるというのだ。
英・ランカスター大学とセントラル・ランカシャー大学の合同研究チームが今年2月に学術誌「Applied Cognitive Psychology」で発表した研究では、BGMがクリエイティビティに及ぼす影響を実験を通じて探っている。
実験ではセントラル・ランカシャー大学の英語を母国語とする男女学生数十人(実験により18人~36人)に「Compound Remote Associate Tasks、CRATs」と呼ばれる言語の連想能力や創造力を計測するテストが課された。
CRATsの問題は3つの単語が提示され、その3つに共通してあてはまる1つの言葉を導き出すというものである。英語版では例えば、dress(ドレス)、dial(ダイヤル、文字盤)、flower(花)の3つの単語が提示されて共通する言葉を探し出すよう求められる。答えは「sun」で、接頭語としてこのsunが頭につくとそれぞれ、sundress(夏ドレス)、sundial(日時計)、sunflower(ヒマワリ)となる。
そして実験参加者の学生たちはこのCRATsテストをBGMがない環境で行った後、以下の3つのBGMが流れる環境の中でそれぞれ30分行ったのだ。
●外国語の歌詞の曲
●歌の入っていない楽器演奏曲(インストゥルメンタル)
●母国語(英語)のポピュラー音楽
■音楽が脳のリソースを奪う
音楽でリラックスできれば新たなアイディアが浮かびやすくなるようにも思われ、実際にそう主張する見解も少なくないのだが、実験の結果はこれに反するものになった。BGMが流れる中では一様に無音の環境よりもテストの成績が悪くなったのだ。つまりBGMが連想力とクリエイティビティを低下させているのである。
特に母国語のポピュラー音楽が流れている時には著しい成績低下が見られ、外国語の歌詞の曲はその次に成績を低下させ、そして歌詞がないインストゥルメンタルでも同様の傾向が確認された。
「BGM環境の中では静かな環境と比較して、パフォーマンスが低下しているという明確なエビデンスを見いだしました」と研究チームのネイル・マクラッチ博士は語る。
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2024.10.02 20:00心霊音楽を聴くと「創造性が著しく損なわれる」ことが判明! 特に危険なジャンルは…!(最新研究)のページです。音楽、脳、BGM、創造力、連想力などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで